亀川温泉(読み)かめがわおんせん

日本歴史地名大系 「亀川温泉」の解説

亀川温泉
かめがわおんせん

[現在地名]別府市亀川浜田町・亀川中央町・亀川四の湯町・平田町・古市町・内竈など

別府市北部海岸に沿って形成された温泉場で、いわゆる別府八湯の一つに数えられる。現在は自己源泉の亀陽泉きようせんの湯などと別府市からの給湯亀川駅前かめがわえきまえ温泉など一六ヵ所ほどの温泉場がJR日豊本線亀川駅を中心に分布。泉質はナトリウム・塩化物泉。泉温摂氏五〇―六〇度。これら各温泉場のうち比較的早期に開けていたのは温水ぬくみ(貫見)湯・すな湯・蕩邪泉とうやせん・四の湯・御夢想ごむそう湯などで、江戸時代には温水湯・砂湯古市ふるいち村、蕩邪泉は亀川村、四の湯は平田ひらた村、御夢想湯は内竈門うちかまど村の内であった。当地一帯は中世の里屋さとや名の遺称地で里屋ともよばれ、里屋湯治として浦部うらべ(国東半島)の人たちの湯治場であった(寛永五年「惣吉湯治願」関家文書)。貝原益軒の「豊国紀行」には「里屋に温泉有。塩湯なり」とある。温水湯は内竈うちかまど字温水にある。江戸時代には古市村の北部にあたり、かつては別府湾が温泉場近くまで湾入していたという。寛政七年(一七九五)同温泉に遊んだ脇蘭室は「遊温泉記」を著したが、同書によると浴槽は二つあり、一つは六、七尺四方で深さ二尺ばかり、もう一つはやや小さく、上に屋根を設けていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「亀川温泉」の意味・わかりやすい解説

亀川温泉
かめがわおんせん

大分県中部,別府市の北部で別府湾にのぞむ温泉。別府八湯の1つ。泉質は単純泉。泉温は 70℃。神経痛リウマチ効能がある。別府温泉郷の北の入口にあたる古湯で,湯治場的な雰囲気は残るものの近代化が進み,血ノ池地獄,竜巻地獄のほか,市営ザボン園,姫山メンヒルなどの観光地がある。近くに上人ヶ浜の松林があり,海岸には名物の天然砂湯がある。

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デジタル大辞泉プラス 「亀川温泉」の解説

亀川温泉

大分県別府市北部の海岸線にある温泉。別府八湯のひとつ。海岸に湧出し、砂湯で有名。

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