事業継続計画(読み)ジギョウケイゾクケイカク

デジタル大辞泉 「事業継続計画」の意味・読み・例文・類語

じぎょうけいぞく‐けいかく〔ジゲフケイゾクケイクワク〕【事業継続計画】

災害事故などが発生した場合に、企業や行政組織が基幹事業を継続したり、早期に事業を再開するために策定する行動計画事前業務優先度を確定し、バックアップシステムの整備や要員確保などの対応策を立てておくことで、被害やサービスの受け手への影響最小限にとどめることができる。業務継続計画BCP(business continuity plan)。→事業継続管理

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共同通信ニュース用語解説 「事業継続計画」の解説

事業継続計画(BCP)

自然災害やテロなどに備え、企業がその影響を最小限に抑えながら事業を続けたり、早期に復旧したりするための手順をまとめた計画。英語頭文字からBCPと呼ばれる。従業員の安否確認や取引先との非常時連絡手段、被害を受けた工場の代替施設の確保、システムのバックアップなどを事前に定める。日本では東日本大震災を機に中小企業の導入例が増えたほか、新型コロナウイルス流行を受け、感染症拡大時の対応を項目に加えた企業も多い。

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事業継続計画(BCP)

企業や自治体が、自然災害やテロ、感染症などの非常事態に備え、損害を最小限に抑えながら、事業を継続または早期復旧するための計画。感染症の場合、主に人的被害が大きく、事態が長期化するのが特徴。対応としては、マスクや消毒用アルコールの備蓄、交代勤務やテレワークの推進など。自然災害への備えでは、被害を受けた工場や事務所の代替施設の確保、システムのバックアップなどを事前に定めておく。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「事業継続計画」の意味・わかりやすい解説

事業継続計画
じぎょうけいぞくけいかく

緊急事態にあった場合でも、企業や自治体などが倒産や事業縮小を余儀なくされないよう、中核となる事業の中断を防止し、ほとんどの事業を早期復旧するために定めておく事前計画。業務継続計画ともいう。英語ではbusiness continuity planといい、その略称のBCPでよばれることが多い。BCPの策定を含めて、その訓練、運用など、システム全体を管理することを事業継続管理business continuity management(BCM)という。

 コンピュータの誤動作が予想された2000年問題や2001年のアメリカ同時多発テロを機に、欧米の民間企業で作成する動きが広がった。日本では阪神・淡路大震災後も導入が遅れていたが、2004年(平成16)の新潟県中越地震の後、政府の中央防災会議や経済産業省が企業や自治体、官公庁にBCPづくりを求めるようになって、広く普及した。緊急事態として天災、大火災、原子力発電所事故、テロ、伝染病流行、コンピュータの大規模故障などのリスクを想定し、損失度合いを予測する。中断できない中核事業や優先的に復旧すべき主要事業を特定し、必要な設備・システム・人材などの選別を行う。さらに、目標とする復旧時間、復旧手順、指揮命令系統、役割分担、在宅勤務などの代替策、事業所のリスク分散策などを盛り込む。BCPに沿って、従業員らの訓練を繰り返すとともに、BCP内容を定期的に見直すことが必要とされる。

 東日本大震災の際には、(1)顧客情報などのデータベースの分散保管、(2)情報通信インフラの優先復旧、(3)代替輸送の確保などを定めたBCPがうまく機能した。

 従来の防災計画が、安否確認や耐震性向上といった災害対策が柱であったのに対し、BCPは緊急時でも事業を継続することに主眼が置かれている。似た用語に「コンティンジェンシープラン」(contingency plan)があり、これが緊急事態への対応に力点を置いた計画であるのに対し、BCPは平時の事前対策をも含んだ包括的計画である。

[編集部]

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