(読み)ニ

デジタル大辞泉 「二」の意味・読み・例文・類語

に【二】[漢字項目]

[音](呉) ジ(漢) [訓]ふた ふたつ
学習漢字]1年
〈ニ〉
数の名。ふたつ。「二回・二箇月/無二
二番目。次の。「二階二月二世二等
二回。ふたたび。「二食二伸二毛作
二つに分かれる。違っている。「二言二心
〈ジ〉ふたつ。「不二二心
〈ふた〉「二重二言
[名のり]かず・すすむ・つぎ・つぐ・ふ
難読二合半こなから十重二十重とえはたえ二十はたち二十歳はたち二十日はつか二十ふたそじ二幅ふたの二布ふたの二人ふたり二日ふつか

に【二/弐】

数の名。1の次、3の前の数。ふた。ふたつ。「1プラス1は―」
2番目。第2。つぎ。あと。「―の句」
三味線で、二の糸
(弐)大宰府次官大弐少弐がある。
[補説]「弐」は金銭証書などで、間違いを防ぐために「二」の代わりに用いることがある。
[類語]じゅうゼロ一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ九つとお

ふた【二】

に。ふたつ。数値を読み上げるときなどに、の数を間違いなく伝えるために用いる。「円なり」
に。ふたつ。名詞または動詞連用形の上に付いて、複合語として用いる。「親」「包み」

ふう【二】

」の音変化。「ひい、、みい」

ふ【二】

に。ふたつ。声に出して数をかぞえるときにいう語。ふう。「ひ、、み、よ」

じ【二】[漢字項目]


アル【二】

《〈中国語〉》数の2。二つ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「二」の意味・読み・例文・類語

ふた【二】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの二。ふたつ。ふう。ふ。
    1. [初出の実例]「一(ひと)(フタ)(み)(よ)(いつ)(むに)(なな)(や)(ここの)(たりや)」(出典:年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌)
  2. [ 2 ] 〘 造語要素 〙
    1. 二つ。名詞・助数詞の前に直接付けて用いる。聞き違いを防ぐために漢語の「二(に)」の代わりに用いることもある。「二皿(ふたさら)」「二棟(ふたむね)」「二重(ふたえ)」「一〇二円(ひゃくふたえん)
      1. [初出の実例]「玉匣あけつるほどのほととぎすただふたこゑもなきてこし哉〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)夏・一七八)
    2. 動詞の前に付けて、動作が二回行なわれることや動作者が二人(二つ)あることを表わす。
      1. [初出の実例]「み谷 布多(フタ)渡らす 阿治志貴 高日子根の神そ」(出典:古事記(712)上・歌謡)
    3. ふたの(二幅)」の略。
      1. [初出の実例]「おなじくは女の為なるさし櫛。ひぢりめんのふたをして」(出典:浮世草子・西鶴置土産(1693)五)

に【二・弐】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 数の名。一に一を加えた、一の次の数。ふたつ。ふた。ふう。
    1. [初出の実例]「一二の目のみにはあらず五六三四さへありけり双六の采(さえ)」(出典:万葉集(8C後)一六・三八二七)
    2. [その他の文献]〔論語‐公冶長〕
  3. 一の次の順位にあること。事柄の順序を表わす。二番目。第二番。つぎ。あと。
    1. [初出の実例]「陽成院の二のみこ、後蔭の中将のむすめにとしごろすみたまひけるを」(出典:大和物語(947‐957頃)二三)
  4. ( 弐 ) 大宰府の次官。大弐、少弐の別がある。〔令義解(718)〕
  5. に(二)の糸」の略。
    1. [初出の実例]「勿論三が下るものやら二が上るものやら、節は伸すもんだか縮めるもんだか、少しも知らない」(出典:湯島詣(1899)〈泉鏡花〉二七)

ににろく‐じけん【二・二六事件】

  1. 昭和一一年(一九三六)二月二六日早朝、武力による国内改革を企図した皇道派青年将校らが起こした事件。首相官邸警視庁などを襲い、内大臣斎藤実・大蔵大臣高橋是清・教育総監渡辺錠太郎を殺害、侍従長鈴木貫太郎に重傷を負わせ、陸軍省参謀本部・国会・首相官邸などを含む永田町一帯を占拠した。翌日戒厳令が公布され、鎮圧された。将校の大半は死刑。事件後、統制派軍部の政治発言力は著しく強化し、軍部独裁に進んだ。

にいち‐スト【二・一スト】

  1. ( ストは「ストライキ」の略 ) 昭和二二年(一九四七)二月一日に予定されたゼネラルストライキ。官公庁労働組合が中心となって、労働組合員約六〇〇万人参加の下に計画されたが、スト直前の一月三一日、在日占領軍総司令官マッカーサーの禁止命令によって中止された。

ふう【二】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふ(二)」の変化した語 ) 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの二。ふた。
    1. [初出の実例]「君か代は長の数よむひいふうみい〈西鶴〉 たはね木をつむ高き屋の内〈西吟〉」(出典:俳諧・西鶴五百韻(1679)何鞠)

ふ【二】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふた(二)」の変化した語 ) 物の数を、声に出して唱えながら数えるときの二。ふう。〔名語記(1275)〕

にいにいろく‐じけん【二・二六事件】

  1. ににろくじけん(二・二六事件)

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普及版 字通 「二」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

(異体字)弍
5画

[字音] ニ・ジ
[字訓] ふたつ・ふたたび

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 指事
横線二を以て、数の二を示す。算木を二本ならべた形。卜文・金文は同様の方法で一より四までの数字を示す。〔説文〕十三下に「地の數なり。偶に從ふ」とする。〔易、辞伝上〕に「天は一、地は二なり」とあるのによる。古文の字は弍に作り、金文では比例や分数的表示のときにその字を用いることがある。

[訓義]
1. ふたつ、数字の二。
2. ふたたび。
3. 二倍にする、わかつ。
4. ならぶ、たぐう。
5. うたがう、そむく。
6. 地の数、陰の数。

[古辞書の訓]
名義抄〕二 フタツ・フタリ・フタタビ/一二 ツバヒラカニ 〔立〕二 シゲシ・カシコシ・ヨシ・タカシ・ミドコロ・カサヌ・タノミ

[部首]
〔説文〕に亟・恆(恒)・亘・竺・(凡)をこの部に属し、〔玉〕には(齊)のほか、また(い)・圍(囲)に従う字などを加える。亟(きよく)は上下にわたした横の木の間に、人をとじこめる形を基本とし、また亘の上下の線は、垣牆としてめぐらした境界の線で、数字の二の意を含むものではない。

[声系]
〔説文〕八下(次)を二の亦声の字とするが、は人の咨嗟する形。二はその吐く息の象形。二の古文は弍。その正字は貳(弐)に作るべく、貝は鼎の省形。戈(か)は銘刻を加える刀。同銘のものを作って、正副の二本とする意である。弍(じ)声の字であるが、弍はその省形とみてよい。貳に副弐・弐益・弐背の意がある。

[語系]
二・貳njieiは同声。数の二のときには二を用い、副弐のときは貳を用いる。貳は銘刻による副弐の約剤(契約書)をいう。のち文書の数字の改を防ぐため、貳を用いることが多い。

[熟語]
二意・二衛・二価・二雅・二気・二紀・二儀・二極・二頃・二景・二言・二鼓・二五・二更・二刻・二至・二肆・二豎・二象・二心・二親・二世・二諾・二端・二致・二天・二篆・二図・二桃・二南・二妃・二夫・二分・二柄・二毛・二酉
[下接語]
爽二・不二・無二

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