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互酬 ごしゅう reciprocity

翻訳|reciprocity

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世界大百科事典 第2版の解説

ごしゅう【互酬 reciprocity】

人間の行為は,その対象が個人,集団,あるいは超自然的存在,そのいずれであっても,なんらかの応報を求めて行われる。ことに伝統的社会における制度には,人あるいは集団が相互に有形・無形のものを,特定の期待感や義務感をもって,与え,返礼しあうことによって成立しているものが多い。このような意味で,人間の行為の多くは相互的行為,あるいは一種の交換ということができよう。このような行為を動機づける観念,あるいはこの種の観念によって基礎づけられた社会関係を互酬と呼ぶ。

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All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

世界大百科事典内の互酬の言及

【市】より

K.ポランニーによれば,人間社会の歴史全体からみると,生産と分配の過程には,三つの類型の社会制度が存在しており,古代あるいは未開の社会から現代諸社会まで,それらが単一にあるいは複合しながら経済過程の機構をつくってきた。それらは,(1)互酬reciprocity 諸社会集団が特定のパターンに従って相互に贈与しあう,(2)再分配redistribution 族長・王など,その社会の権力の中心にものが集まり,それから再び成員にもたらされる,(3)交換exchange ものとものとの等価性が当事者間で了解されるに十分なだけの安定した価値体系が成立しているもとで,個人間・集団間に交わされる財・サービス等の往復運動,の3類型であり,それぞれの類型は社会構造と密接に連関をもって存在している。市は,この(3)の〈交換〉が成立する社会がつくり出した方式である。…

【贈物】より


[贈物の互酬的性格]
 贈物のシステムが安定的であるとき,そこに含まれるどの主体(集団)に関しても,贈る関係と贈られる関係のバランスが成立していると考えられる。社会集団の間に特定のパターンに従って贈与しあう関係が成立しているとき,この関係を一般に互酬reciprocityという。この互酬の事例を分析してみると,人々は贈った分を結局他の人々から受け取っており,その逆も真である場合が多い。…

【市】より

K.ポランニーによれば,人間社会の歴史全体からみると,生産と分配の過程には,三つの類型の社会制度が存在しており,古代あるいは未開の社会から現代諸社会まで,それらが単一にあるいは複合しながら経済過程の機構をつくってきた。それらは,(1)互酬reciprocity 諸社会集団が特定のパターンに従って相互に贈与しあう,(2)再分配redistribution 族長・王など,その社会の権力の中心にものが集まり,それから再び成員にもたらされる,(3)交換exchange ものとものとの等価性が当事者間で了解されるに十分なだけの安定した価値体系が成立しているもとで,個人間・集団間に交わされる財・サービス等の往復運動,の3類型であり,それぞれの類型は社会構造と密接に連関をもって存在している。市は,この(3)の〈交換〉が成立する社会がつくり出した方式である。…

【贈物】より

…つまり,贈与のシステムは,法,道徳,宗教が一体となった未分化な規範のシステムと不可分である。
[贈物の互酬的性格]
 贈物のシステムが安定的であるとき,そこに含まれるどの主体(集団)に関しても,贈る関係と贈られる関係のバランスが成立していると考えられる。社会集団の間に特定のパターンに従って贈与しあう関係が成立しているとき,この関係を一般に互酬reciprocityという。…

【交換】より

…これに対して経済的動機のみにもとづく交換は,市場や貨幣の制度が発達した社会においてはじめて広まった特種な交換とみることができる。K.ポランニーによればこの意味での交換(市場交換)は,互酬(贈与),再分配(貢租とその分配),家政(自給自足)と並ぶ人間の生活資料調達法のひとつであったが,19世紀の市場(貨幣)経済体制のもとで特異な発達をとげ,経済の領域だけでなく社会全体をその網の目に絡み込む勢いであったという(《大転換》)。 市場経済を対象とする経済学の理論的分析では当然のことながら経済的動機以外の交換動機は初めから視野の外におかれる。…

【双分組織】より

…各地の事例では,親族関係を密にする集団が社会を二分し,あるいは一方が他方の外婚集団になっていたりする場合もあるが,双方がおなじ出自集団であるとはかぎらず,また相互に密な親族関係をもっていることが〈双分組織〉の特徴であるとはかぎらない。 〈双分組織〉は社会の単なる観念上の二分割にとどまらず,双方の単位の間で社会的・宗教的になんらかの互酬的関係が見られる場合が多い。この互酬的関係のなかで顕著なものを挙げるならば,第1に,それぞれの単位が単系的外婚集団を形成しており,相互に配偶者のやりとりをするということ,第2に,それぞれが儀礼上の単位となっており,相互の互酬的行為を通じて儀礼を構成するということ,などが挙げられよう。…

【ヨーロッパ】より

… 近代ヨーロッパ社会が他の諸文明と異なった形の近代文明をつくり上げることができたのは,何よりもまずヨーロッパにおいて時間と空間の観念が均質化されたためであり,次いで,貨幣経済が他の諸文明よりも徹底して展開されたためである。他の諸文明においては物を媒介とした互酬の関係が近代に至るまで人間関係の主たる絆であったのだが,ヨーロッパにおいては11世紀の段階で互酬関係が転換し,貨幣経済の浸透とともに,物をめぐる人間と人間の関係に一種の合理性が貫かれることになった。さらに宗教と法のあり方がヨーロッパにおいては他の諸文明と異なった展開を遂げたことも挙げておかねばならないだろう。…

※「互酬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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