井深大(読み)イブカマサル

デジタル大辞泉 「井深大」の意味・読み・例文・類語

いぶか‐まさる〔ゐぶか‐〕【井深大】

[1908~1997]実業家栃木の生まれ。昭和21年(1946)盛田昭夫とともに東京通信工業(ソニー前身)を創立。初の国産テープレコーダーやトランジスターラジオなど、独創的な製品を次々と開発し成功した。平成4年(1992)文化勲章受章

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「井深大」の意味・わかりやすい解説

井深大
いぶかまさる
(1908―1997)

実業家。栃木県日光技術者甫(たすく)の長男として生まれる。1933年(昭和8)早稲田(わせだ)大学理工学部電気工学科卒業。すでに在学中「走るネオン」の発明才能を示す。卒業後は写真化学研究所に入り、1937年日本光音の無線部長、1940年日本測定器の常務となる。第二次世界大戦後、1946年(昭和21)東京通信工業を創立し専務、1950年社長に就任。1958年ソニーと社名を変更、1971年会長、1976年名誉会長、1990年(平成2)ファウンダー・名誉会長、1994年ファウンダー・最高相談役に就任。同社は独自の製品開発を重視し、海外市場の開拓にもいち早く成功を収めた。彼は戦後の代表的な技術者経営者の一人であり、発明協会会長のほか、幼児教育にも関心が深く、幼児開発協会理事長も務めた。1992年文化勲章受章。

[浅野俊光]

『『私の履歴書 第18集』(1963・日本経済新聞社)』

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百科事典マイペディア 「井深大」の意味・わかりやすい解説

井深大【いぶかまさる】

技術者,実業家。栃木県生れ。アマチュア無線黎明期から積極的に活動し,早大電気工学科卒。在学中から発明を行った。1945年東京通信研究所を設立。1946年盛田昭夫〔1921年−1999年〕とともに東京通信工業を設立,1950年社長,1958年ソニーと改称し,1971年会長,1976年名誉会長,1994年最高相談役。日本初の磁気テープレコーダー,トランジスターラジオ,カラーテレビなどを開発して,ソニーを世界的ブランドに発展させた。幼児教育にも力を注ぎ,1969年に幼児開発協会を設立。1992年文化勲章。
→関連項目盛田昭夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「井深大」の意味・わかりやすい解説

井深大
いぶかまさる

[生]1908.4.11. 栃木,日光
[没]1997.12.19. 東京
昭和期の実業家。早稲田大学在学中に「動くネオン」を開発し,パリ万国博覧会で優秀発明賞を受賞。 1940年,日本測定機器の常務となり,熱線誘導兵器の開発中に盛田昭夫と出会い,1946年に東京通信工業 (のちのソニー ) を設立。 1950年に同社社長,1971年に会長,1976年に名誉会長に就任。テープレコーダ,トランジスタラジオの開発をはじめ,ウォークマン (ヘッドホン付き携帯用カセットテープ・プレーヤ,商品名) ,携帯用8ミリビデオテープレコーダなどの大ヒット商品を送り出し,日本のみならず世界の音響機器,家電機器分野を常にリードしてきた。 1989年に文化功労者となり,1992年に文化勲章を受章。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井深大」の解説

井深大 いぶか-まさる

1908-1997 昭和-平成時代の経営者。
明治41年4月11日生まれ。昭和21年盛田昭夫と東京通信工業を設立し,25年社長。国産初のテープレコーダー,トランジスターラジオなどを商標「SONY」で輸出。33年社名をソニーに改称。独創的な技術開発を主導し,営業担当の盛田とのコンビで同社を「世界のソニー」にそだてた。46年会長。幼児開発協会理事長などもつとめた。平成4年文化勲章。平成9年12月19日死去。89歳。栃木県出身。早大卒。
【格言など】技術者の技能を最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設(ソニーの設立趣意書)

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世界大百科事典(旧版)内の井深大の言及

【ソニー[株]】より

…日本を代表する国際的エレクトロニクス企業。前身である東京通信工業(株)が井深大(1908-97),盛田昭夫らによって設立されたのが1946年5月。同社は真空管電圧計,電磁音叉(おんさ),通信機器の試作研究・生産を行っていたが,50年7月には日本初のテープレコーダーG型を発売。…

※「井深大」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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