直交座標の横軸に相対湿度、縦軸に湿球温度をとり、各地における毎月の平均値により12の点を決め、月の順にこれを直線で結んで得られる図形。クライモグラムclimogramともいう。湿球温度の資料入手が困難なため、実際には乾球温度(気温)を用いている。1915年、オーストラリアのG・テーラーが体感気候表現の一方法として考案した。各地の気候の特徴が図形からたやすくとらえられる。資料の豊富な気温と降水量を用いた同様な図形をハイサーグラフhythergraphというが、広義にこれもクライモグラフに入れている場合が多い。気温が蒸発量の多少にかかわるという意味から、ハイサーグラフは水収支(降水量から蒸発量を引いたもの)をも表現できる便利さがある。雲量や風向、風速などを記号化して書き入れた総観クライモグラフも考案されている。
[水越允治・福岡義隆]
横軸に相対湿度,縦軸に湿球温度をとった直交座標において,各月平均値に基づいてプロットされた12点を月順に結びつけた線図。1915年G.テーラーが白人移住の際の気候適応の問題として体感気候を表現するために考案したもの。資料入手の便宜上,湿球温度の代りに乾球温度を用いることもある。また,テーラーは気温と降水量を組み合わせたハイサグラフを考えだしている(なお,ハイサグラフをクライモグラフと呼ぶことも多い)。いずれにしても,気候の季節推移をわかりやすく表現した点に特徴がある。
執筆者:設楽 寛
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…作図が簡単で,しかも気温と降水量の組合せの季節推移が一見してわかるので,気候の便利な表現法として重宝されている。G.テーラーは湿球温度と相対湿度,あるいは気温と相対湿度を組み合わせたクライモグラフを考案したが,資料入手の便宜上からクライモグラフを改良したものがハイサグラフである。しかし,このハイサグラフをクライモグラフと呼ぶことがある。…
※「クライモグラフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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