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交通政策 こうつうせいさく

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世界大百科事典 第2版の解説

こうつうせいさく【交通政策】

たとえば古代ローマ帝国にみるごとく,交通路の確保は軍事上の目的あるいは交易の促進にとって不可欠であったから,政府は交通路の整備に強い関心を抱いてきた。鉄道が出現する19世紀半ば以前にも,イギリスアメリカで政府がターンパイク呼ばれる有料道路や運河の料金決定に干渉した。このように,いつの時代でも,どの国でも,政府は自国の交通の発展と維持のために交通市場に対して政策介入を行ってきた。しかし政府の交通政策は,交通の技術革新経済発展が交通市場に変化をもたらすと,それに応じて変化した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

交通政策
こうつうせいさく

交通問題の緩和・解決のために、そしてよりよい交通社会の実現のために、政府や地方自治体が行う施策。政府や地方自治体が交通サービスを提供する民間事業者に政策介入することもあれば、政府や地方自治体が直接交通サービスを供給することもあり、これらはいずれも交通政策の一環である。
 交通サービスには、軍事的な意味もあって、国家による政策介入が昔から強く行われていた。道路整備や空港整備などは主として国家の役割であったし、それらを運営する事業主体も国有会社で行われることが多かった。日本の1906年(明治39)の鉄道国有法はその代表例である。したがって、交通政策の果たす役割はかなり重要で、その介入の度合いも強かった。しかし現在では、利用者の利便性の向上(たとえば混雑問題の緩和)という観点や、シビル・ミニマムの確保(たとえば赤字ローカル線の維持)という観点などから、交通政策への要請が強まっている。
 許認可制から届出制に変更するなどの参入・退出規制や運賃規則の緩和など、1990年代以降の規制緩和の進展によって、従来よりも交通への公的介入(政策)の程度は低くなったといえる。しかし、これは交通政策の重要性が低くなったことを意味しない。混雑の緩和、赤字バス路線の維持、交通機関の安全の確保、民間独自ではむずかしい道路や港湾や空港などの交通社会資本の整備など、交通政策の果たす役割は依然大きい。また交通政策は、交通を直接の目的とするものだけでなく、マクロ経済政策上の観点から行われることもある。たとえば、景気浮揚のための公共事業としての道路建設、インフレ抑制を目的とした運賃の据置きなどは、その代表的なものである。
 交通問題は日常生活に直接影響が及ぶことが多いため、交通政策に対する世間の注目も大きい。そのため、一定の資源制約のなかで、できるだけ効果の大きい政策を、公正の観点も考えつつ実施する必要がある。さらに国際競争の激化に伴う国家間の競争という観点からの要請(たとえば使いやすい空港を提供することによる観光客の誘致など)も加わり、交通政策に求められる多様性は広がりつつある。[竹内健蔵]
『藤井弥太郎監修、中条潮・太田和博編『自由化時代の交通政策――現代交通政策2』(2001・東京大学出版会) ▽衛藤卓也監修、大井尚司・後藤孝夫著『交通政策入門』(2011・同文舘出版)』

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世界大百科事典内の交通政策の言及

【自動車】より

…また,自動車を使用した犯罪の増加,性道徳の退廃にしても,社会における犯罪一般の増加,性道徳の低下そのものに根本的な原因がある。
[交通政策]
 自動車の大衆化,貨物自動車の急増に直面して採用された日本の交通政策の基本的な方向は,鉄道,バスなどの公共交通機関の利用者の減少と経営悪化を防ぐために自動車交通,とくに自家用車による交通を抑制することであった。自動車保有の急増とともに交通事故と公害が社会問題化したことも自動車交通を抑制する方向に作用した。…

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