今藤長十郎(読み)いまふじちょうじゅうろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「今藤長十郎」の意味・わかりやすい解説

今藤長十郎
いまふじちょうじゅうろう

長唄(ながうた)三味線方、今藤派の家元名。歌舞伎(かぶき)小鼓打2世田中佐十郎(本名今藤(こんどう)長十郎、のち今藤長才(ちょうさい)、1843没)を流祖とする。2世(1866―1945)は2世今藤佐太郎の子である3世佐太郎。初め歌舞伎囃子(はやし)方。のち7世松永鉄五郎の門に入り、松永鉄太郎と改め長唄三味線方となる。1904年(明治37)長十郎を襲名高野辰之(たつゆき)のもとで『近世邦楽年表』の編纂(へんさん)に尽力、邦楽界に貢献した。晩年、長栽(ちょうさい)と号す。3世(1915―84)は2世の次男。前名4世佐太郎。1942年(昭和17)長十郎を襲名。旧来の長唄にとどまらず、洋楽との接点を探求し、作曲、演奏の両面で活躍する。『うぐいす』『こころの四季』『丹頂鶴(たんちょうづる)』『阿吽(あうん)』などを作曲。今藤同門会、創作邦楽研究会などを結成する。84年、重要無形文化財保持者に認定された。4世(1947― )は3世の三女。前名今藤小苗(さなえ)。84年、3世の没後ただちに襲名する。

[植田隆之助]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「今藤長十郎」の解説

今藤長十郎 こんどう-ちょうじゅうろう

田中佐十郎(たなか-さじゅうろう)(2代)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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