(読み)イ

デジタル大辞泉 「以」の意味・読み・例文・類語

い【以】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]もって
学習漢字]4年
ある時・所を起点としてそれより。「以遠以往以下以外以後以降以上以西以前以東以内以来
…でもって。…を用いて。「以心伝心
[名のり]これ・さね・しげ・とも・のり・もちゆき
難読以為おもえらく所以ゆえん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「以」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音]
[字訓] もって・おもう・ともに・ひきいる・ゆえ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
(すき)の形。〔説文〕十四下に「は用ふるなり。反已に從ふ」とし、賈侍中説として「已、已の實なり。象形」とする説を引く。已意は(よくい)という草。字は象形で、耜(すき)の形。もとと同文。のち字形は厶・・以に分かれた。

[訓義]
1. 用・庸と通用し、もって、もちいる。
2. 為・謂と通用して、おもう。
3. 与と通用して、ともに。
4. 率と通用して、ひきいる。
5. 名詞として、ゆえ、理由説明的に用いる。

[古辞書の訓]
名義抄〕以 モチヰル・モツ・モテス・コレヲモテ・モチフ・ヰテアリク・ヲモフ・モテスト云フ・ヲモンミレバ・オモヘラク・トモニ・タメニ・スデニ・アタフ・ユヱ/以 ユヱ・コノユヱニ/是以 ココヲモテ

[声系]
以・已・厶・はもと同字。以・已・にそれぞれその声系の字があり、矣・台は厶の声系に属する。以声に・似・があり、(ふい)。胚胎(はいたい)の意がある。

[語系]
以ji、與(与)jia、用・庸jiong、爲(為)hiuai、謂hiut、(率)shiutは声近く、語として系列をなし、通用することがある。

[熟語]
以為・以謂・以往・以下・以外・以還・以及・以後・以降・以次・以上以心・以西・以前・以内以文・以聞・以来
[下接語]
何以(なにをもって)・曷以(なにをもって)・是以(このゆえに)・所以(ゆえん)・有以(ゆえあるなり)

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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