佐鳴湖(読み)さなるこ

日本歴史地名大系 「佐鳴湖」の解説

佐鳴湖
さなるこ

浜松市街地の西方に位置。南北二・二キロ、東西六五〇メートル、面積一・一五平方キロ、最深部六メートル。自然湖としては県内で浜名湖に次ぐ面積を有する。三方原台地南端の開析谷が砂堤によって出口を閉塞されて形成された。新川(旧入野川)で浜名湖と結ばれ、もとは汽水湖であったが、現在はポンプ排水により淡水湖となっている。延宝(一六七三―八一)頃の青山氏領分絵図には入野いりの池とあり、「曳駒拾遺」には猿投さなげの浦、変化抄(竹村家文書)には佐鳴の浦とみえる。景勝地とされ、貞享元年(一六八四)浜松藩主青山忠雄が当地で遊んだという(変化抄)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「佐鳴湖」の意味・わかりやすい解説

佐鳴湖
さなるこ

静岡県浜松市中心市街地の西方、入野(いりの)にある湖。古くは狭投池(さなげいけ)、猿投浦とよばれた。浜松市西方に広がる三方原(みかたはら)台地の谷が東西に延びる浜堤によって閉塞(へいそく)された湖で、汽水湖から淡水湖となった。面積1.15平方キロメートル。南北に細長く、北岸には喜二郎河岸(がし)とよばれる蒸気船就航の跡が残っており、また北東の台地上には蜆塚遺跡(しじみづかいせき)があり、市の観光地として整備されている。

[北川光雄]

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デジタル大辞泉プラス 「佐鳴湖」の解説

佐鳴湖

静岡県浜松市西区中区との境目にある海跡湖。面積約1.13平方キロメートル。周辺は佐鳴湖公園として整備され、桜の名所として知られるほか、漕艇場もある。

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事典・日本の観光資源 「佐鳴湖」の解説

佐鳴湖

(静岡県浜松市中区・西区)
静岡県のみずべ100選指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の佐鳴湖の言及

【三方原】より

…平たん面が広く残るが,周辺は浸食谷の開析がすすみ丘陵状の地形となる。南側には浸食谷が砂堤によって閉塞された佐鳴(さなる)湖や台地末端の蜆(しじみ)塚貝塚などがあり,海食崖の地形といえる。東側の浜北や富岡の段丘は隆起運動の跡を示す。…

※「佐鳴湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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