保国寺(読み)ほうこくじ

日本歴史地名大系 「保国寺」の解説

保国寺
ほうこくじ

[現在地名]西条市中野

加茂かも川が東南から西北へ屈曲する地点の西岸台地上、伊曾乃いその神社の南西山麓にある。臨済宗東福寺派。本尊阿弥陀如来

享保一六年(一七三一)の「万年山保国禅寺歴代略記」によると、聖武天皇勅願寺として神亀四年(七二七)創建され、建治年中(一二七五―七八)仏通禅師の来錫により、天台から臨済に改宗されたという。文和三年(一三五四)の足利尊氏御教書(保国寺文書)に、

<資料は省略されています>

とあり、当地方に名だたる古刹であったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「保国寺」の意味・わかりやすい解説

保国寺 (ほこくじ)
Bǎo guó sì

中国浙江省寧波(ニンポー)市西北の霊山山麓にある仏寺。創建年代は不詳だが古くは霊山(りようぜん)寺と称し,会昌滅法(三武一宗の法難)の後,唐代の880年(広明1)に再興して保国寺と改めたという。寺は南向き斜面の段状伽藍に諸堂や方池を配する。大雄宝殿北宋時代の1013年(大中祥符6)の再建で,江南地方の代表的な古建築の一つ。現状は方5間だが,このうち中央方3間部分が北宋の遺構で,裳階(もこし)は清代の1684年(康熙23)の増築である。大雄宝殿はドーム状の化粧天井につくった藻井(そうせい),数本の材をあわせてつくる瓜棱型断面の柱などの数少ない実例としても貴重な遺構である。
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世界の観光地名がわかる事典 「保国寺」の解説

ほこくじ【保国寺】

中国の浙江(せっこう)省の寧波(ニンポー)にある、禅宗の名刹。寧波市江北区の霊山の麓にあり、市内から13km離れている。中国で最初に国家重要文化財として認定された文化遺跡で、山腹に沿って天王殿や大雄宝殿、観音堂、蔵経楼、僧房などが並んでいる。大雄宝殿は「梁無き殿」とも呼ばれ、中国江南地方で最も完全に保存されている北宋時代の木造建築物で、現存するものでは最古のものである。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保国寺」の意味・わかりやすい解説

保国寺
ほこくじ
Bao-guo-si

中国,浙江省余姚 (よよう) 県洪塘鎮にある古寺。創建時は霊山寺と呼んだが唐時代,会昌の廃仏で滅び,復興して保国寺と改称した。境内の重要な遺構は大雄宝殿で,北宋の大中祥符6 (1013) 年に重建されたと考えられる。南中国の建物としては最古のもので重要な遺構である。

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デジタル大辞泉プラス 「保国寺」の解説

保国寺

愛媛県西条市にある臨済宗東福寺派の寺院山号は万年山、院号金光院。本尊は阿弥陀如来。聖武天皇の勅願寺として創建され、仏通禅師が天台宗から臨済宗に改めたと伝わる。室町時代初期につくられたとみられる石組みの美しい庭園は国指定名勝。

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