保証金(読み)ほしょうきん

日本大百科全書(ニッポニカ)「保証金」の解説

保証金
ほしょうきん

将来発生するかもしれない債務担保のために特定の関係にある者の間で授受される金銭。たとえば、賃借人が将来生じることのある債務不履行による債務を担保するために賃貸人に交付する敷金や身元保証金、仲買保証金など。その金銭の所有権は、交付と同時に相手方に移転するが、特定の関係の終了などにより担保の必要がなくなったときに相手方は同一の金額を返還する義務を負う。このほか、民事訴訟法上では、訴訟費用の担保や仮執行の宣言に関する担保、強制執行における買い受けの申し出の保証金などがある。なお、刑事訴訟法上は保釈保証金保釈金)がある。これは、保釈の際に納付を命じられる金員で、逃亡したりすれば没取するという心理的な効果をもつものである。

[高橋康之]

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精選版 日本国語大辞典「保証金」の解説

ほしょう‐きん【保証金】

〘名〙
① 将来の行為結果について責任を持つことのあかしとして相手方に提供する金銭。
※日本の下層社会(1899)〈横山源之〉四「大阪府下の各紡績工場にては、保証金、信認金、積立金等種々名義を異にすと雖も」
② 私法で、一定の債務の担保として債権者などに交付される金銭。委託保証金・敷金・身元保証金など。
東京日日新聞‐明治二五年(1892)五月一二日「保証金を納するを廃して相当の身分を有し所定手続をふむ者は、何人も新聞紙を発行するを得せしむるが如き其一例なり」
③ 刑事訴訟法で、保釈の保証として裁判所に提出する金銭。保釈金。
④ 財政法で、国が契約を行なう場合に契約の履行を担保するため相手方から徴する金銭。

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デジタル大辞泉「保証金」の解説

ほしょう‐きん【保証金】

将来の行為や結果について責任をもつことの証拠として提供する金銭。
一定の債務の担保として債権者に交付する金銭。

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世界大百科事典内の保証金の言及

【敷金】より

…明渡しと同時履行の関係に立つとしたほうが敷金の返還を確保しうることになるが,判例は明渡しをしてはじめて返還請求ができるとしている。 なお,ビルディングのフロアーの賃貸借では,権利金と敷金の中間的性格をもつ保証金が授受されている。保証金は返還されるが,償却と称して一定割合を賃貸人が取得する点では権利金に近い。…

【保釈】より

…公訴が提起され,未決勾留中の被告人を,保証金(保釈保証金)の納付を条件に釈放する制度。逃亡,罪証隠滅を防ぐためには被告人を勾留すればよいが,勾留は人身の拘禁というきわめて大きい不利益を課するものであるから,拘禁しているのと同じ効果があげられる別の方法があれば,それを用いたほうがよい。…

※「保証金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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