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保釈 ほしゃく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

保釈
ほしゃく

刑事手続において一定額の保証金を納めさせ,未決勾留中の被告人を釈放する制度 (刑事訴訟法 88~94,96) 。勾留執行停止 (95条) とともに長期拘禁の弊害を避け,被告人の防御活動を保障しようとする趣旨から出たものである。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

保釈

保証金を納付させ、出頭しなかったり逃亡したりした時には没取することにして、勾留中の被告人を釈放する制度。住居制限その他適当と認める条件をつけることができる。被告人・弁護士・親族などの請求によって認められる請求保釈と、裁判所が職権で許す職権保釈がある。保釈の請求があれば許すのが原則であるが(権利保釈)、死刑・無期などに相当する重罪を犯した場合、重罪の前科がある場合、常習犯の場合、罪証隠滅やいわゆるお礼参りのおそれのある場合、氏名・住所がわからない場合などには、保釈を許すか否かは裁判所の裁量による(裁量保釈)。

(土井真一 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

保釈

保証金を納めることを条件に裁判所が勾留中の刑事事件の被告を釈放すること。証拠隠滅の疑いがある場合は認められない。保釈後、正当な理由がないのに公判に出廷しなければ保証金を没収する。額は犯罪の性質や被告の資産などを踏まえて裁判所が決める。最近では大王製紙前会長による巨額借り入れ事件の保証金が3億円と高額になった。イトマン事件では保釈中の被告が公判中に逃亡して6億円が没収された。

(2012-01-04 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ほ‐しゃく【保釈】

[名](スル)一定の保証金を納付させ、勾留(こうりゅう)中の被告人を一時釈放すること。刑事訴訟法に定める一定の場合を除いて、被告人弁護人などの請求があれば裁判所は認めなければならない。また、裁判所が職権で行うこともある。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
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百科事典マイペディアの解説

保釈【ほしゃく】

保証金(保釈金)を納付させ,召喚に応じなければこれを没取するという制裁の下に勾留中の被告人を釈放する制度(刑事訴訟法88条以下)。可能な限り未決の拘禁を回避しようとするもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ほしゃく【保釈】

公訴が提起され,未決勾留中の被告人を,保証金(保釈保証金)の納付を条件に釈放する制度。逃亡,罪証隠滅を防ぐためには被告人を勾留すればよいが,勾留は人身の拘禁というきわめて大きい不利益を課するものであるから,拘禁しているのと同じ効果があげられる別の方法があれば,それを用いたほうがよい。保釈は,このような見地から,保証金の没取という経済的威嚇によって出頭の確保と罪証隠滅の防止をはかったうえで,勾留自体は取り消さずにその執行のみを停止し,被告人をとりあえず拘禁から解放するものであって,英米法で発達した制度である。

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大辞林 第三版の解説

ほしゃく【保釈】

( 名 ) スル
保証金の納付を条件に、未決勾留中の被告人を釈放すること。重大犯罪や証拠隠滅のおそれがある場合などを除いて、請求があれば裁判所は認めなければならない。また、裁判所の職権で行うこともある。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

保釈
ほしゃく

保証金を納付させて、裁判所が被告人の勾留(こうりゅう)の執行を停止することをいう(刑事訴訟法88条以下)。被疑者に対する保釈制度はない(同法207条1項)。勾留されている被告人またはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族もしくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる(同法88条)。保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない(必要的保釈)。すなわち、被告人が、(1)死刑または無期もしくは短期1年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪を犯したものであるとき、(2)前に死刑または無期もしくは長期10年を超える懲役もしくは禁錮にあたる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき、(3)常習として長期3年以上の懲役または禁錮にあたる罪を犯したものであるとき、(4)罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき、(5)被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者もしくはその親族の身体もしくは財産に害を加えまたはこれらの者を畏怖(いふ)させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき、(6)被告人の氏名または住居がわからないとき(同法89条)、である。
 以上の請求による権利保釈のほかに、職権による保釈の制度がある。すなわち、裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる(同法90条)。また、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、裁判所は保釈請求権者の請求により、または職権で、決定をもって勾留を取り消し、または保釈を許さなければならない(同法91条1項)。保釈を許す場合には、保証金額を定めなければならない。保証金額は、犯罪の性質および情状、証拠の証明力ならびに被告人の性格および資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。また保釈を許す場合には、被告人の住居を制限し、その他適当と認める条件を附することができる(同法93条)。保釈を許す決定は、保証金の納付があった後でなければ、これを執行することができない(同法94条1項)。召喚を受けて正当な理由なく被告人が出頭しないなど保釈取消し事由にあたる場合には、決定をもって保釈は取り消され、保証金は没取されることがある(同法96条1項・2項)。保釈された者が、刑の言渡しを受けその判決が確定したのち、執行のため呼出しを受け正当な理由がなく出頭しないとき、または逃亡したときは、検察官の請求により、決定で保証金の全部または一部を没取しなければならない(同法96条3項)。禁錮以上の刑に処する判決の宣告があったときは、保釈はその効力を失う(同法343条)。また禁錮以上の刑に処する判決の宣告があったのちは、必要的保釈(同法89条)の規定は、これを適用しない(同法344条)。
 2008年(平成20)地方裁判所において終局(第一審)した人員は6万7644人、うち保釈人員は8639人で、勾留率(勾留総人員÷終局総人員)80.5%、保釈率(保釈人員÷勾留総人員)15.9%となっている。また、簡易裁判所では終局総人員1万0632人、うち保釈人員は552人で、勾留率85.7%、保釈率6.1%である(2009年版『犯罪白書』)。[内田一郎・田口守一]

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