保護コロイド(読み)ほごころいど(英語表記)protective colloid

日本大百科全書(ニッポニカ) 「保護コロイド」の意味・わかりやすい解説

保護コロイド
ほごころいど
protective colloid

疎水コロイドを安定にするために加える親水コロイドをいう。身近な例としては墨汁があげられる。炭素コロイド粒子は疎水コロイドであるが、これににかわ(膠)をよく練り混ぜてつくった墨では、にかわが保護コロイド役割を果たすので粒子が凝結することはない。青インキの場合は青色顔料メチレンブルーなど)にアラビアゴムを保護コロイドとして加えたものである。アルブミンゼラチンなどの天然高分子ほか合成高分子でも保護コロイドとして用いられている例は多い。

山崎 昶]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保護コロイド」の意味・わかりやすい解説

保護コロイド
ほごコロイド
protective colloid

疎水コロイドは電解質添加加熱などにより安定性を失い,容易に凝析するので,その防止目的で加えられる親水コロイドを保護コロイドという。たとえば墨汁では炭素粒子 (疎水コロイド) の分散に膠が保護コロイドとして役立っている。保護コロイドはコロイド溶液保存製造のために用いられる。

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