信陽(読み)しんよう

精選版 日本国語大辞典 「信陽」の意味・読み・例文・類語

しんようシンヤウ【信陽】

  1. 信濃国異称
    1. [初出の実例]「世称信陽、山峭抜而地気寒冽」(出典:空華集(1359‐68頃)一一・贈東源詳上人施信陽詩序)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「信陽」の意味・わかりやすい解説

信陽
しんよう / シンヤン

中国、河南(かなん)省南部、淮河(わいが)支流河(しが)上流部にある地級市。2市轄区、固始(こし)、潢川(こうせん)など8県を管轄する(2016年時点)。人口890万4000(2014)。大別(だいべつ)山脈北麓、桐柏(とうはく)山脈東麓、淮河平原の南西端を占める。秦嶺(しんれい)と淮河を結ぶ線の南にあるため、河南省のなかでは、米をはじめゴマ、ワタの栽培が盛んで、毛尖(マオチエン)茶は特産である。また、水力発電所を基礎に機械や化学などの工場が立地する。京広線や京広高速鉄道、京九線、寧西(ねいせい)線(南京(ナンキン)―西安(せいあん))が通るほか、固始を経て安徽(あんき)省六安(りくあん)、南陽(なんよう)を経て陝西(せんせい)省西安などに通じる自動車道が通り、河南省南部の経済の中心をなす。

 春秋時代には楚(そ)の国として繁栄、宋(そう)代には信陽県が置かれ、中華人民共和国成立直後、信陽県の市街地を分離して市制を敷いた。市の西方河をせき止めた南湾貯水池がある。

[駒井正一・編集部 2017年12月12日]

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改訂新版 世界大百科事典 「信陽」の意味・わかりやすい解説

信陽 (しんよう)
Xìn yáng

中国,河南省南部の商工業都市。人口26万(1994)。湖北省との境界近く,淮河(わいが)の支流の溮河(しが)北岸に位置する。漢代には鐘武県,隋代には義南郡と呼ばれ,宋代より信陽と改名され,明代現在地に移った。南方には華北と華中を区切る桐柏・大別山地が横たわり,これらの山脈を横切る武勝,平靖,黄硯の三関は義陽三関と呼ばれ,古来中国が南北に対立するときは常に争奪の目標となった軍事上の要地である。河南省南部における経済の中心で,1957年には全国に先駆けて大型の農業生産協同組合を組織し,人民公社を生み出すきっかけとなった。
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百科事典マイペディア 「信陽」の意味・わかりやすい解説

信陽【しんよう】

中国,河南省南境の都市。京広鉄路(北京〜広州)に沿い舟運による便もあり,東方,南方への門戸をなし,河南省南部の経済の中心地。木綿・絹織物・竹製品を産する。鉄鋼業などの工業も発展している。付近の鶏公山は景勝の療養地として有名。149万人(2014)。

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世界大百科事典(旧版)内の信陽の言及

【河南[省]】より

…その他,安陽の製鉄と紡績,新郷の紡績と機械製造は新興工業として特記しなければならない。南方では南陽が玉製品の産地として,また諸葛亮(孔明)の遺跡として知られ,信陽は省の南部の経済中心で,近代工業も起こっている。三門峡はダムの建設とともにその南岸に作られた都市で,隴海線の要点に位置し,とくに洛陽~西安間の交通・輸送の中心を占めている。…

※「信陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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