偕行社(読み)カイコウシャ

デジタル大辞泉 「偕行社」の意味・読み・例文・類語

かいこう‐しゃ〔カイカウ‐〕【偕行社】

明治10年(1877)に創立された、陸軍将校親睦しんぼくおよび学術研究を目的とする団体。第二次大戦後に解散したが、のち親睦団体として復活。→水交社

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精選版 日本国語大辞典 「偕行社」の意味・読み・例文・類語

かいこう‐しゃカイカウ‥【偕行社】

  1. 旧日本陸軍将校の親睦を目的とする団体。また、その建物。明治一〇年(一八七七東京に創立され、第二次世界大戦後一時中断したが、その後復活した。→水交社
    1. [初出の実例]「九段坂上なる偕行社は、年々会員も増加し」(出典:東京日日新聞‐明治二三年(1890)二月一六日)

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改訂新版 世界大百科事典 「偕行社」の意味・わかりやすい解説

偕行社 (かいこうしゃ)

日本陸軍の将校クラブ。1877年(明治10)創立。90年,それまで部内の自発的な研究団体として存在した月曜会を強制的に合併して,以後,全将校を包含する唯一の官制組織となった。1924年財団法人となる。講話会,集会のほか機関紙偕行社記事》,兵書などの発行死亡者などの義助,軍装用品および生活必需品の供給,住宅建設,貸付などの便益をはかった。社員は現役将校および相当官が自動的になり,退役将校および相当官も〈希望に依り〉なることができた。拠出金は俸給月額100分の1。東京九段に本部,地方衛戍(えいじゆ)地に支部を置いた。旧帝国海軍の水交社とともに軍隊上層・中堅層の生活,およびイデオロギー側面での団結を促進する役割を果たした。1952年旧軍人の間で親睦会的組織として再発足し,機関紙《偕行》を発行している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「偕行社」の意味・わかりやすい解説

偕行社
かいこうしゃ

旧日本陸軍の将校間の親睦(しんぼく)と軍事研究を目的とした団体で1877年(明治10)2月に創立された。とくに、陸軍の兵制がフランス式からプロシア式に変更された際、これを不満として月曜会と称する団体に結集した一群の将校と軍主流との対立が生じたのを契機に、将校の思想的統一、団結を図る役割が期待されることになった。月曜会が1890年に偕行社に強制的に合併されて以来、陸軍唯一の官制組織となった。

[纐纈 厚]


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百科事典マイペディア 「偕行社」の意味・わかりやすい解説

偕行社【かいこうしゃ】

日本陸軍将校の親睦・研究団体。1877年創立。1888年の部内研究団体月曜会弾圧以降は陸軍部内唯一の公認団体となって官製化したため研究方面は伸びなかった。機関紙としての《偕行社記事》や兵書を発行。1924年財団法人となり,1945年まで存続。1952年旧軍人の間で親睦会的組織として再発足した。→水交社

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偕行社」の意味・わかりやすい解説

偕行社
かいこうしゃ

旧日本陸軍の全将校の社交,研究団体。 1877年創立。 1924年に財団法人。酒保,宿舎の経営のほか,図書の出版,死亡者への義助などの便益を行なった。機関誌は『偕行社記事』。 1952年,旧軍人の親睦会として再発足。

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