入方(読み)イリガタ

デジタル大辞泉 「入方」の意味・読み・例文・類語

いり‐がた【入(り)方】

《「いりかた」とも》中にはいろうとするころ。特に、日や月などが没しようとするころ。「日の入り方に宿に着いた」

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精選版 日本国語大辞典 「入方」の意味・読み・例文・類語

いれ‐かた【入方】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「方」は、その係の人、または専職者の意 )
  2. 出入り駕籠(かご)屋。京都遊里語
    1. [初出の実例]「祇園の茶屋入方、挑灯てん手(で)に」(出典:浄瑠璃・太平記忠臣講釈(1766)六)
  3. 芸人女給などを需要先の料亭へ斡旋する人。
    1. [初出の実例]「入方(イレカタ)といふ元締の指図を経て、〈略〉諸方の料亭へ給仕に往きぬ」(出典:風俗画報‐一五四号(1897)人事門)

いり‐がた【入方】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「いりかた」とも ) 中にちょうどはいろうとする頃。多く日、月などが没しようとする頃の意に用いられる。
    1. [初出の実例]「月はいりかたの、空清う澄みわたれるに、風いと涼しくなりて、草むらの虫の声々、もよほし顔なるも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    2. 「やうやう日は山の端に入がたに、光のいみじうさして」(出典:大鏡(12C前)六)

いり‐かた【入方】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代林野入会権(いりあいけん)一種。他村の林野に属している入会地権利。その用益権地元の村のそれより弱く、植物などの採取にも各種の制限を伴った。
    1. [初出の実例]「宝暦度山論以来、地元小川、加々須にては刈敷二日前より刈取、入方阿島は三日目より刈取候処」(出典:喬木村外約定証書‐明治一〇年(1877))

いる‐かた【入方】

  1. 〘 名詞 〙 はいる方向
    1. [初出の実例]「もろともに大内山は出でつれどいるかた見せぬいさよひの月」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)

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