公主(読み)コウシュ

デジタル大辞泉 「公主」の意味・読み・例文・類語

こう‐しゅ【公主】

天子の娘。皇女中国で、古代、天子が息女諸侯に嫁がせるとき、その婚礼三公に取り仕切らせたところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「公主」の意味・読み・例文・類語

こう‐しゅ【公主】

  1. 〘 名詞 〙 ( 中国の秦漢時代天子がその娘を嫁がせるとき、三公にそのしたくをさせたところから ) 天子の娘。内親王。皇女。王女
    1. [初出の実例]「十五能歌公主第。二十工舞季倫家」(出典:文華秀麗集(818)中・奉和春閨怨〈朝野鹿取〉)
    2. 「広野姫は公主なり、風雲を契りて龍興を復す〈藤原斉信〉」(出典:新撰朗詠集(12C前)下・帝王)
    3. [その他の文献]〔漢書‐高祖紀上〕

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普及版 字通 「公主」の読み・字形・画数・意味

【公主】こうしゆ

天子のむすめ。〔史記奴伝〕西のかた氏・大夏じ、を以て烏孫王に妻(めあ)はせて、以て奴西方の國をつ。

字通「公」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「公主」の意味・わかりやすい解説

公主
こうしゅ

中国で、皇帝の女(むすめ)の尊号。秦(しん)・漢(かん)時代からの称号であり、皇女の婚礼を最高官の三公がつかさどったことによるといわれる。漢代では諸侯王(しょこうおう)の王女も公主とよび、皇帝の姉妹は長公主(ちょうこうしゅ)と号された。細君(さいくん)や王昭君(おうしょうくん)のように周辺諸民族の君主に嫁した公主を和蕃公主(わばんこうしゅ)という。唐代の制度では公主の範囲は限定されており、皇帝の姑(おば)を大長公主(だいちょうこうしゅ)、姉妹を長公主、女を公主と称し、皇太子の女は郡主、親王(しんのう)の女は県主とされた。

尾形 勇]

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改訂新版 世界大百科事典 「公主」の意味・わかりやすい解説

公主 (こうしゅ)
gōng zhǔ

中国で皇帝の女子をいう。日本の内親王に当たる。帝の姉妹を長公主,帝のおばを大長公主と呼び,公主の夫は駙馬と称する。《春秋公羊伝》には〈天子が女(むすめ)を諸侯に嫁すとき,必ず諸侯の同姓者をしてこれを主(つかさ)どらせたので,故に公主という〉と説明している。唐制では公主づきの邑司の官が設けられ封戸も与えられ,太平・安楽両公主のごとく権勢をふるう者も出た。外族に嫁した者は和蕃公主と呼ばれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公主」の意味・わかりやすい解説

公主
こうしゅ
Gong-zhu; Kung-chu

中国で天子の娘をいう。諸侯 (公) に結婚を主 (つかさど) らせたのでこの名が出たといわれる。公主はときに唐代の太平公主のように政治的権威をふるったり,文成公主のように政略のため外族に嫁した例も多い。

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旺文社世界史事典 三訂版 「公主」の解説

公主
こうしゅ

中国皇帝または皇族の女子の呼称
漢代の王昭君のように,政略のために外国支配者に嫁した公主を和蕃 (わばん) 公主という。

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