コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

公事師 くじし

5件 の用語解説(公事師の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公事師
くじし

江戸時代の民事裁判において,当事者に代って訴訟を行う業者。通例は訴訟人が宿泊する宿 (江戸宿,公事宿などと称される) の主人,番頭,手代などをつとめ,訴訟に不慣れな当事者に代って手続を進めた。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

くじ‐し【公事師】

江戸時代、当事者に代わって訴訟を進めたり、手続きを指導したりすることを業としていた者。種々の弊害を生じたため、幕府はこれを禁止した。出入り師。

出典|小学館
デジタル大辞泉について | 情報 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

くじし【公事師】

江戸時代,出入師・公事買などとも呼ばれた非合法の訴訟代理業者。訴訟当事者の依頼を受けて訴訟技術を教示し,書面の代書を行い,内済(ないさい)(和解)の斡旋をするほか,当事者の親族・奉公人あるいは町村役人などを偽称して出廷し,訴訟行為の代理ないし補佐を行って礼金を得,また古い借金証文や売掛帳面などを買い取り,相手方が訴訟による失費や手間をいとい内済すると見通して出訴するなど,裁判・訴訟に関する知識や技術を利用したさまざまな行為を稼業とした。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公事師
くじし

出入師(でいりし)ともいう。江戸後期、訴訟の際、弁護人の役割を職業とする者。元来訴訟や裁判では、訴訟の当事者が宿泊する公事宿が、訴状の作成から白洲(しらす)での駆け引きなど、訴訟指揮を請け負うのが普通で、ときには双方の公事宿が仲裁者になって解決する能力ももっていたが、訴訟件数の激増に伴い私的に訴訟を補佐する専業者が現れるようになった。そのため公事師といわれるようになった。しかし、どちらかというと巧みな訴訟技術を利用して無知な人々を困らせることも多かった。幕府はしばしば強く取り締まったが、江戸後期の貨幣経済の著しい発展に伴い村の公事師も横行するようになり、幕末の内乱期に幕府の訴訟処理能力が著しく低下すると、村の私的仲裁機関として活躍する者も現れた。[青木美智男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

今日のキーワード

百条委員会

地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科...

続きを読む

コトバンク for iPhone