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公卿補任 くぎょうぶにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公卿補任
くぎょうぶにん

神武天皇から明治1 (1868) 年にいたるまで,大臣以下参議までの公卿を序列によって並べ,兼官や任用栄転,辞任などの異動をその年ごとに記したもの。上流貴族の職員録,官職任用簿といえる。初出,すなわち初めて公卿に上った年の条では,出自や官歴を列記し,出家,致仕,薨去によって官位を去る個所では,その月日まで注記した。したがって,その時代時代の朝廷の構成がわかるばかりか,各個人の伝記を調べるうえでも貴重である。初めは,神武天皇から弘仁1 (810) 年までの部分が,同2年に『歴運記』として編集されたらしい。その後,年ごとに加えられ,10世紀の後半に再び編集し直されたようである。これは,今日完全な形では残らず,他の書物の裏に一部分写されているものから推測できるにすぎないが,体裁などは,現存の『公卿補任』よりも,むしろ『歴運記』に近い。現存の『公卿補任』は,鎌倉時代初期か平安時代末期にまとめられたものらしい。そして順次増補されて,明治1年までの部分が成立した。『国史大系所収

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デジタル大辞泉の解説

くぎょうぶにん〔クギヤウブニン〕【公卿補任】

公卿の氏名・就任年月・官位などを年代順に記した職員録。神武天皇の代から明治元年(1868)までを記録する。

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百科事典マイペディアの解説

公卿補任【くぎょうぶにん】

神武天皇以来1868年に至るまでの公卿の官位を記した高官職員録。文武(もんむ)天皇以降は1年ごとに大臣および大納言中納言・参議および三位(さんみ)以上の者を列記し,官職や位の異動とその日付を細かに記してある。

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世界大百科事典 第2版の解説

くぎょうぶにん【公卿補任】

摂政・関白以下参議以上の現官と,三位以上の有位者を列挙した公卿の名簿。現在広く用いられている《国史大系》所収の本書は,神武天皇より持統天皇までは代ごとに,文武天皇以降(697以降)は年ごとに列記して明治1年(1868)に及んでいる。各人につき,本官位階・年齢・兼官などを注し,初出の個所には,父母と公卿に至るまでの経歴をまとめて載せる。本書の成立の経緯は明らかでないが,平安中期にはすでに現在の形に近いものが作成され,廷臣の間で利用されていたことが,《小右記》などの記録によって知られる。

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大辞林 第三版の解説

くぎょうぶにん【公卿補任】

神武天皇の国初より1868年(明治1)までの公卿の氏名・官歴などを年代順に書き記したもの。一〇世紀中頃に成立した「公卿伝」をもとに、代々書き継がれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公卿補任
くぎょうぶにん

大臣以下参議以上、非参議三位(さんみ)以上の公卿の氏名、叙位、任官などを注記した職員録。神武(じんむ)天皇の代から1868年(明治1)までを収録する。本書の首部(811年以前)は、『歴運記(れきうんき)』を基にしてつくられており、現在の流布本は、これに812年(弘仁3)以後の分を年々書き継ぎながら、しだいに全体の体裁を整え、欠失部分を補足していったものである。とくに陽成(ようぜい)天皇の884年(元慶8)までの部分には、注記に約280条、16種ほどの諸書が引用してあり、研究に有益である。『公卿伝』との関係については、内容、体裁とも異なり、両者は別書。鎌倉時代の古写本には冷泉家(れいぜいけ)本や九条家本、刊本に国史大系本がある。[渡辺直彦]
『『新訂増補国史大系 公卿補任』全6冊(1934~39・吉川弘文館)』

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世界大百科事典内の公卿補任の言及

【一代要記】より

…東山本は4冊で,書継ぎの状況のわかる貴重な本であるが,また各天皇および皇子女が朱と黒の系線で結ばれていて,一大皇室系図になっているが,流布本では系線が省略され,祖本の特徴の一つを減殺している。なお徳川光圀は,《公卿補任》の欠缺部分を補う《公卿補任補闕》を本書によって編纂し,高松藩主松平頼恕が,本書の後を継ぐ《歴朝要記》の編纂を行うなど,史学史上に与えた影響も大きい。《改定史籍集覧》所収。…

※「公卿補任」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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