出石川(読み)いずしがわ

日本歴史地名大系 「出石川」の解説

出石川
いずしがわ

但東たんとう小坂こざこの山地北斜面に発し、同町出合であい太田おおた川を合せて西に流れ、出石町日野辺ひのべの西で流れを北に変え、豊岡市ふし円山まるやま川右岸に合流する。全長三二キロ余、流域面積は二二五平方キロで、出石町小人こびと町から下流は一級河川に指定される。太田川支流赤花あかばな川、出石川本流には佐々木ささき川・河本こうもと川・奥山おくやま川・谷山たにやま川・すげ川・袴狭はかざ川などの支流がある。但東町域では河床高低差が大きく、流れは急で、大雨の時には川抜け・流石・流家などが多かった。一方、下流の出石町域・豊岡市域では河床高低差が少なく、停水・堤防破損・冠水などの被害が多く、とくに下郷しものごう地区は水害の常襲地帯であった。

出石藩の「御用部屋日記」からおもな水害の記録を拾うと以下のようである。享保七年(一七二二)には一丈の増水谷山川が満水となり、出石城(現出石町)の東門・大手門土橋を押崩し、城の石垣は所々破損、侍屋敷は破損四五・半壊八、町屋は破損六〇・潰れ家一〇・流家六、在々では潰れ家三五・流家一六を数え、溺死者八、田畑は二万石余が水入りとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出石川」の意味・わかりやすい解説

出石川
いずしがわ

兵庫県北東部を流れる円山川の支流。京都府境の江笠山 (728m) から流出する太田川,小坂川が豊岡市の出合で合流して出石川となって西流し,出石盆地を経て,豊岡市の佐野円山川に合流する。長さ 30km。流域の出石は早くから開け,但馬開発の先人といわれている新羅の王子アメノヒボコ (天之日矛) をまつる出石神社 (但馬一宮) がある。

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