デジタル大辞泉
「円山川」の意味・読み・例文・類語
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円山川
まるやまがわ
兵庫県北部、但馬地方の東部を北流して日本海に注ぐ。本流流長六八キロ、認定本支流流長四八六・八キロ。水源は中国山地の分水嶺で、命名の由来となった生野町の丸山(六四九メートル)に発するものと、河川法認定の太盛山の支嶺(標高五三五メートル)に発するものとに分れる。本流は朝来町・和田山町・養父町・八鹿町・日高町・豊岡市・城崎町を貫流して豊岡市港地区で津居山湾に達する。地域により朝来川・養父川・気多川・豊岡川・城崎川とよばれた。全体として蓼川・大川の称もある。全川をさすものとしての円山川の名は、すでに江戸時代の史料にみえる。明治一八年(一八八五)の「地方税支給ニ係ル河名及支給区域一覧表」(兵庫県公報)には「幹流円山川、但馬国朝来郡円山村・城崎郡津居山港流末間」とある。支流に神子畑川・与布土川・東河川・大屋川・八木川・糸井川・稲葉川・出石川・六方川・奈佐川などがある。流域は山地面積が八五・八パーセントで平地は一二・三パーセント、山地は植林、平地は米の単作に利用され、豊岡盆地の遊水池の堆積土は古来から鋳物・瓦・杞柳各産業を生み、近代以降は煉瓦産業を育んだ。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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円山川
まるやまがわ
兵庫県中西部を北流して日本海に注ぐ一級河川。但馬(たじま)・播磨(はりま)国境に近い朝来市(あさごし)生野(いくの)町円山付近に源を発して但馬地方を北流し、豊岡市(とよおかし)津居山(ついやま)で日本海へ注ぐ。延長68キロメートル。流域面積1300平方キロメートル。養父(やぶ)市以北では谷幅が広がり、穀倉地帯の豊岡盆地となる。かつてはここまで入り江で、いまも満潮時には出石(いずし)川との合流点まで海水が進入するほど低平であり、氾濫(はんらん)に悩まされてきた。流域では桑畑が、豊岡盆地では柳行李(やなぎごうり)用の杞柳(きりゅう)(コリヤナギ)が栽培されたが、現在そのおもかげはない。近世には中流の藪崎(やぶさき)(養父市)まで高瀬舟の舟運があった。
[大槻 守]
『神戸新聞社但馬総局編『円山川』(1970・のじぎく文庫)』
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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円山川
まるやまがわ
兵庫県北部を流れる川。朝来川(あさごがわ)ともいう。中国山地東部の播但国境山地付近に発し,途中で大屋川,八木川,出石川などを合わせ,豊岡市の津居山港付近で日本海に注ぐ。全長 68km。下流部の勾配はきわめてゆるやかで,河口から 12km上流の豊岡付近でも標高 1.2m。そのため満潮時の海水はさらに上流の出石川との合流地点にまで及び,1923~37年の治水工事が完了するまでは水害が絶えなかった。下流域には玄武洞,城崎温泉などの観光地がある。河口の上流に広がる汽水域とその周辺の水田および人工湿地にはコウノトリや水生植物のヒメシロアサザなど希少な動植物が数多く生息し,2012年ラムサール条約に登録された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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円山川 (まるやまがわ)
兵庫県北部を流れる但馬(たじま)地方最大の川。朝来(あさご)川ともいう。県中部の生野峠付近に発して北流し,豊岡市津居山港付近で日本海に注ぐ。幹川流路延長68km,全流域面積1300km2。流域には広い谷底平野が発達し,出石(いずし)盆地,豊岡盆地は但馬の穀倉地帯であった。傾斜がゆるやかで水量が豊富なために水上交通に早くから利用されたが,下流は蛇行が多く,1938年に改修が終わるまではんらん常襲地であった。河口付近に玄武洞,城崎(きのさき)温泉などの行楽地がある。
執筆者:小森 星児
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の円山川の言及
【豊岡盆地】より
…兵庫県北部,[円山(まるやま)川]下流にある南北に細長い盆地。平野の乏しい但馬(たじま)地方では最大の穀倉地帯をなす。…
※「円山川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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