前駆(読み)ゼンク

デジタル大辞泉 「前駆」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐く【前駆】

[名](スル)
1 《古くは「せんぐ」「ぜんぐ」とも》行列などの前方を騎馬で進み、先導すること。また、その人。さきのり。さきばらい。先駆。
「あのかたのお召車らしいのが…―させながらお近づきになって」〈堀辰雄・かげろふの日記〉
2 物事の起こる前ぶれ。
[類語]先んずる・先んじる・先立つ・先駆ける・先走る・先に立つ・先頭を切る・先行・先導・主導・誘導・率先・音頭取り・先駆・先回り・抜け駆け・リード・優先的・優先・始め・最初・第一・一次・原初・嚆矢こうし・手始め・事始め・まず・一番・初しょっ端ぱな・いの一番・真っ先・先立ち・先頭・当初・初期・初頭・始期・早期・劈頭へきとう・冒頭・出出でだし・滑り出し・初手・出端ではな・端はな・端はし・口開け・取っ付き・頭あたま・のっけ・スタート・取り敢えず・差し当たり・ひとまず・当座・序の口・皮切り・第一歩・第一声・始まり・始まる・始める・トップ・初発・発端・端緒・濫觴らんしょう・権輿けんよ・起こり・緒・とば口・取っ掛かり・開始・幕開き・開幕・立ち上がり・口切り・最優先・何をおいても・何はさておき・何はともあれ・口火を切る・先ず以て・先さき・第一義・重要視・前半・先決・先順位・機先を制する・イニシアチブ・プライオリティー

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精選版 日本国語大辞典 「前駆」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐く【前駆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「せんく」「せんぐ」「ぜんぐ」とも ) 行列などの前方を騎馬で進み、先導すること。また、その人。さきのり。さきがけ。先駆。ぜんくう。
    1. 前駆〈年中行事絵巻〉
      前駆〈年中行事絵巻〉
    2. [初出の実例]「午終請客使侍従延光朝臣来、即参向、延光時時前駈、拝礼如常」(出典:九暦‐九暦抄・天暦三年(949)正月一一日)
    3. 「前駈(セング)と云は主君外之御出の時御こしより先へ参る先供の事也」(出典:随筆・貞丈雑記(1784頃)四)
    4. [その他の文献]〔詩経‐衛風・伯兮〕

前駆の語誌

( 1 )読みは文献や時代によってセンク・セング・ゼンク・ゼング・センクウなどいろいろある。「前」字は漢音セン・呉音ゼン。「色葉字類抄」には「前」「駆」の両字に平声の単点があり、共に清音であったことが知られる。「元亀本運歩色葉集」には「先駆」と表記されているところから「セン」と清音で読まれたと考えられるが、「駆」には「グ」と濁音符号があり、連濁していたと見られる。
( 2 )「前駆」を行なう人には状況に応じて束帯・衣冠・布衣のそれぞれの場合があったようで、人数自体も一定ではない。路次の行列としては、下臈・上臈・主となる。「前駆」は古く「御前(ごぜん)」といい、後には馬に乗って前を行くものを「前駆」、主に近いものを「御前」と言い分けたとされるが、はっきりしない。


ぜん‐くう【前駆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せんくう」「せんぐう」とも ) 「ぜんく(前駆)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「小さき馬に乗りて、せんくうしたる」(出典:能因本枕(10C終)一二六)

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普及版 字通 「前駆」の読み・字形・画数・意味

【前駆】ぜんく

行列の先がけ。〔詩、衛風、伯兮〕伯や殳(しゆ)(長いほこ)を執りて 王の爲に驅す

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