節足動物の一群で、広翼類(ウミサソリ類)とともに節口綱(腿口(たいこう)綱)を形成する。剣尾類には、古生代初期の光楯(こうじゅん)目と狭義の剣尾目Xiphosuridaが所属する。剣尾目のなかのカブトガニ亜目は、古生代のシルル紀からデボン紀にかけて生息した共剣尾亜目に由来すると考えられている。共剣尾亜目のものは小形(5センチメートル内外のものが多い)で複眼を欠き、腹節は全部可動か後方の一部が結合するだけで、尾もカブトガニ類より短い。カブトガニ類は、発達するにしたがい腹部が短くなり、腹節の結合が進み、体が大きくなる傾向がある。カブトガニ類の化石はデボン紀以降の各時代の地層から産出しているが、とくに大繁栄したという時代はない。ドイツの中生代のジュラ紀層から出るメソリムルスMesolimurusは標本数が多く、現生のカブトガニに近いということで、カブトガニはしばしば「生きている化石」の例とされる。わが国からカブトガニ類の化石はまだ知られていない。
[藤山家徳]
『団勝磨・関口晃一・安藤裕・渡辺浩編『無脊椎動物の発生』下巻(1988・培風館)』▽『福田芳生著『古生態図集・海の無脊椎動物』(1996・川島書店)』▽『惣路紀通著、ヒサクニヒコ絵『生きている化石――カブトガニからのメッセージ』(1998・文研出版)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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