(読み)ザイ

デジタル大辞泉 「剤」の意味・読み・例文・類語

ざい【剤〔劑〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ザイ(呉)
調合した薬。「下剤散剤錠剤洗剤調剤乳剤配剤薬剤強心剤

ざい【剤】

[接尾]助数詞。調合した薬を数えるのに用いる。
「合薬十七―」〈延喜式斎宮寮

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精選版 日本国語大辞典 「剤」の意味・読み・例文・類語

ざい【剤】

  1. 〘 接尾語 〙 調合した薬を数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「呉茱萸丸、芍薬丸、温白丸各一剤」(出典:延喜式(927)五)

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普及版 字通 「剤」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)劑
16画

[字音] ザイ・サイ
[字訓] わりふ・くすり

[説文解字]
[その他]

[字形] 会意
旧字は劑に作り、齊(斉)(せい)+刀。齊は省文は方鼎。劑はの側面に銘刻を加える意。重要な契約や盟誓の辞は、これを鼎銘として加え、約剤という。〔周礼、地官、司市〕「質劑を以て信を結び、を止む」、また〔周礼、地官、質人〕「そ賣(ばいゐく)するは、質劑す。大市は質を以てし、小市は劑を以てす」とあり、質ももと鼎に従う字で、鼎銘をいう。〔周礼、春官、詛祝〕に「詛の載辭(神に祝する文)を作りて、以て國の信用を敍(の)べ、以て國の劑信を質(あき)らかにす」とあり、質もまた盟約を明らかにするものであった。周初の〔麦尊(ばくそん)〕に「二百家劑を賜ふ」とあり、その銘は権利証書としての意味をもつものであったと思われる。〔説文〕四下に「齊しきなり」とするのは、齊が方鼎のであることがすでに忘れられていたからであろう。のち薬剤などの意に用いる。

[訓義]
1. けいやく、けいやくの書、てがた、わりふ、契券、券書。
2. きる、きりたつ、きりそろえる。
3. 斉と通じ、あわせる、調合する、くすり。

[古辞書の訓]
名義抄〕劑 ヘソ・ワヅカ・キル・ハカル 〔字鏡集〕劑 カギル・ヒトシ・キハル・サク・ハカル・キル・ワカツ・ヘソ

[語系]
劑・齊dzyeiは同声。韻書にみえない字であるが、おそらく同声であろう。劑の従う齊はの省文である。

[熟語]
剤熟・剤信剤銭・剤調剤刀・剤料・剤量・剤和
[下接語]
医剤・液剤・滑剤・下剤・散剤・質剤・瀉剤・主剤・酒剤・錠剤・色剤・製剤・洗剤・剤・丹剤・調剤・鉄剤・吐剤・湯剤・軟剤・乳剤・配剤・秘剤・粉剤・方剤・宝剤・蜜剤・妙剤・約剤・薬剤・余剤・溶剤・両剤・和剤

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