副子(読み)そえこ

精選版 日本国語大辞典 「副子」の意味・読み・例文・類語

そえ‐こ そへ‥【副子】

〘名〙 (「そえご」とも) 腰刀差裏(さしうら)に差し込む小刀。笄(こうがい)表差(おもてざし)というのに対して、裏差(うらざし)ともいう。また、小さな刀をいう、女房詞
※北上記(1588)「こがたなと云よりは、御そへこと申」 〔日葡辞書(1603‐04)〕

ふく‐し【副子】

〘名〙 =ふくぼく(副木)〔現代術語辞典(1931)〕

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百科事典マイペディア 「副子」の意味・わかりやすい解説

副子【ふくし】

四肢骨折関節炎などの固定包帯に用いられる装具。かつては木で作られることが多く副木とも呼ばれたが,厚紙金属石膏なども材料にされる。救急用には板または棒でもよいが,手や足の形に合わせて作られている製品もある。
→関連項目包帯

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「副子」の意味・わかりやすい解説

副子
ふくし

四肢の固定用具。材料としては、厚紙、木、竹、金属網、金属板などがある。副子は、四肢の外傷(骨折、脱臼(だっきゅう)、捻挫(ねんざ))や炎症などの場合、患部の可動性を制限して局所の安静を保つために固定包帯として使用するもので、ギプス包帯とともに非観血的固定法の代表的なものである。かつて木だけを用いたころは、副木(ふくぼく)とか添え木とよばれた。手術的(観血的)に骨折部位を固定するのに用いる錆(さ)びない金属板は、普通の副子と区別して内(ない)副子とよばれる。

[山根信子]

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世界大百科事典(旧版)内の副子の言及

【副木】より

…主として骨折,捻挫の治療として固定用に用いられる副子splintの一種。〈そえ木〉〈あて木〉として,古来,木製の板が用いられたため,この名がある。…

※「副子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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