国指定史跡ガイド「勝連城跡」の解説
かつれんじょうあと【勝連城跡】
沖縄県うるま市勝連南風原にあるグスク(城)跡。沖縄本島中部の勝連半島の根元に位置する丘陵上に所在する。沖縄の城のなかでも重要な地位を占める城郭として、1972年(昭和47)に国の史跡に指定され、2000年(平成12)には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、世界遺産に登録された。城の来歴については不明だが、伝承では、初め、勝連按司(あじ)が城主だったが、やがて茂知附(もちづき)按司、その後、阿麻和利(あまわり)に変わったといわれる。阿麻和利は宿敵の中城(なかぐすく)城主護佐丸(ごさまる)を滅ぼすが、1458年(長禄2)に中山王(ちゅうざんおう)と争い敗退したため城は廃城となった。城郭は東南から北西にかけて東の郭(くるわ)を配し、1段下がった窪地に四の郭、三の郭、二の郭、一の郭と段々と高くなる構造をとる。四の郭には、南西側に南風原御門(はえばるうじょう)、反対の北東側には西原御門(にしばるうじょう)という石造拱門(アーチ門)が開いていたというが、現在は地下遺構だけがその痕跡をとどめる。各郭の構造や他の郭に通じる門や石段などは明確になっており、宋や元の青磁や南蛮陶器など、中国や南海との貿易を示す資料も発見されている。那覇バスターミナルから沖縄バス「西原」下車、徒歩約10分。