南原村(読み)みなみはらむら

日本歴史地名大系 「南原村」の解説

南原村
みなみはらむら

[現在地名]平塚市南原・南原一―三丁目・御殿ごてん二丁目・達上たんじようおか

西境を金目かなめ川、北境をたま(現渋田川)が流れ、東は中原下なかはらしも宿、南は平塚宿に接する。中原道が西から東へ、十日市場とおかいちば道が南から北西へ通る。村内に中原御林の一部がある。天正二〇年(一五九二)二月の由比光勝への知行宛行状(県史八)に「南原之郷」とある。

天正二〇年旗本由比領と幕府直轄領の二給、元和年中(一六一五―二四)より旗本由比・竹尾・長谷川領の三給。文化八年(一八一一)より旗本小笠原領。平塚宿の大助郷を勤め、享保三年(一七一八)の助郷高九八石(「平塚宿助郷帳」県史九)

南原村
なばらむら

[現在地名]安佐北区可部かべ町南原

かんむり(七三五・七メートル)より南流する南原川の谷筋に集落が開かれ、北は可部峠を越えて山県郡本地ほんじ(現千代田町)、西南は綾谷あやがたに村。南原川沿いに石見浜田路が通り、谷の途中と可部峠の二ヵ所に一里塚があった。応安六年(一三七三)九月五日の今川了俊書下(熊谷家文書)に「加部庄内」の「名原両村」を熊谷宗直に預け置いたとみえる。古く九品寺くほんじ村を下南原村とよんでいたから、同村域を併せた地が名原なばら両村とよばれ、可部庄に含まれていた。

南原村
みなばらむら

[現在地名]飯田市南原

現飯田市の中央部、天竜川の東岸にあり、北の知久沢ちくざわ川と南のいたちさわとによって限られた段丘上に立地する。古代は「和名抄」所載の伴野ともの郷に属し、やがて伴野庄知久ちく郷の内となり、知久平ちくだいら城のちに神之峰かんのみね城主となった知久氏の支配を受けた。近世には慶長六年(一六〇一)より阿島あじま(現下伊那郡喬木たかぎ村)の旗本知久氏の所領となり、一部は文永ぶんえい寺領となった。村高は正保四年(一六四七)に三八八石余(信濃国絵図高辻)であったが、元禄一五年(一七〇二)には四五八石余(信濃国郷帳)

村の北東段丘上の平地には、鎌倉時代に知久氏によって開創された文永寺がある。「南原」の地名の初見は、文明七年(一四七五)に文永寺の宗詢が先師宗済の十三回忌に際して催した結縁灌頂に招かれた京都醍醐だいご理性りしよう院宗典の「三摩耶戒表白」(醍醐寺三宝院蔵)の奥書である。

南原村
みなみはらむら

[現在地名]会津若松市大戸町おおとまち上三寄かみみより

阿賀川東岸に位置し、北西は上雨屋かみあまや村、南は香塩かしゆう村。もと原村であったが、会津郡内に同名村があるので、寛永七年(一六三〇)南の字を加えたという。またかつては田中たなか関屋せきや大門だいもん花河原はなかわらの四区に分れていたが、元禄年中(一六八八―一七〇四)下野国宇都宮への道を開いた時に現在地に移転したという(新編会津風土記)。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に原とあり、高一六七石余。南青木組に属し、文化一五年(一八一八)の村日記では高一九〇石余。化政期の家数二八(新編会津風土記)。明治四年(一八七一)の家数二七(寺一)・人数一三六(人員録)

南原村
みなみはらむら

[現在地名]島田市南原・船木ふなき

井口いぐち村の西、大井川右岸平地に立地し、東境湯日ゆい川が流れる。文禄二年検地高目録に南原村とみえ、高二七二石余、掛川城主山内一豊領。正保郷帳では田方二二六石余・畑方二〇石余、幕府領、ほかに養徳ようとく寺領二石余・若宮八幡宮領二石。元禄郷帳では高三六五石余。国立史料館本元禄郷帳では幕府領。正徳二年(一七一二)には相良藩領(本多忠晴領知目録)。享保二年(一七一七)にも同藩領(本多忠通領知目録)

南原村
みなみばるむら

[現在地名]苅田町南原・富久町とみひさちよう一―二丁目・神田町じんでんちよう一―三丁目・殿川町とのがわちよう

馬場ばば村の南、高城たかじよう山北東麓の緩傾斜地に立地し、東は周防灘に面する。元和八年人畜改帳に村名がみえ、高五九三石余、家数三八・人数七一(うち百姓一五・名子三)、牛一三・馬七。郷村高帳では高六〇五石余、うち新田高一二石余。

南原村
みなみはらむら

[現在地名]金沢市清水町しみずまち

清水村の西に位置。もとは清水村の垣内で、村名は本村の南側にあったことによるという。正保郷帳では清水村と並記され、高四五石余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印の高一八石、免四ツ五歩、小物成は山役三四匁(三箇国高物成帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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