南沙群島(読み)ナンサグントウ

デジタル大辞泉 「南沙群島」の意味・読み・例文・類語

なんさ‐ぐんとう〔‐グンタウ〕【南沙群島】

南沙諸島

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百科事典マイペディア 「南沙群島」の意味・わかりやすい解説

南沙群島【なんさぐんとう】

中国大陸南方海上,インドシナ半島とフィリピン諸島の間にあるサンゴ礁群で,中国海南省に所属。スプラトリー(Spratly)諸島,南沙諸島とも。グアノ,熱帯果物,ウミガメなどを産し,周辺海域海底油田がある。1939年に日本とフランス間で領有問題をめぐって紛争が起こり,第2次大戦直前日本が占領して,新南群島と称した。戦後,日本はその権利・請求権を放棄。現在,ベトナム,フィリピンもそれぞれ領有を主張し,係争地となっていたが,2002年中国とASEAN諸国との間の〈南シナ海行動宣言〉により,領有権の事実上の棚上げが合意された。しかし,近年,中国はこの海域を〈国家核心利益〉と位置づけ,軍事プレゼンスを強めており,緊張が再燃,2011年から数回にわたり探査船をフィリピンの主張する領海に送り,2012年にはフィリピンと中国の艦船が対峙する事態が起きた。2014年,中国は南沙群島のミスチーフ岩礁で大規模な埋め立て工事を進行させ,滑走路などを建設。アメリカは南シナ海での前哨基地として軍事化を進めているとして,重大な懸念を表明している。1988年には,領有権をめぐって中国とベトナムの海軍が軍事衝突し,勝利した中国が岩礁と珊瑚礁一部手中にする,という事件も起きている。領海・領土問題で軍事衝突も辞さない中国の強引な姿勢を知るうえで重要な事例である。
→関連項目アジア中華人民共和国フィリピン

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改訂新版 世界大百科事典 「南沙群島」の意味・わかりやすい解説

南沙群島 (なんさぐんとう)
Nán shā qún dǎo

東はフィリピンのパラワン島とカリマンタンボルネオ)島,西はベトナムに囲まれた北緯4°~12°の間の海域に分布する200近い島嶼,岩礁からなる諸島。スプラトリー諸島ともいう。おもな島に太平島,南威島,中業島,景宏島,鴻庥島,費信島,馬歓島,陽明礁,鄭和群礁,万安灘,礼楽灘,海馬灘などがあるが,最大の太平島でも面積は0.4km2にすぎない。古来,太平洋とインド洋を結ぶ軍事・通商上の要衝である。また付近は好漁場で,近海ではマグロ,カツオ,カジキ,トビウオがとれ,諸島内では海藻,海綿,ナマコ,タイマイなどが豊富である。周囲の海域は原油,天然ガスなど豊富な地下資源の埋蔵が推定されるため,中国をはじめベトナム,フィリピン,マレーシア,台湾,ブルネイが一部または全部の領有を主張し,軍隊を島々に駐屯させている。1988年には中国とベトナムの間で軍事衝突が勃発した。現在は領有権を棚上げして,資源を共同開発する方向が各国間で模索されている。中国は92年に領海法で一方的に自国領と宣言した。曾母暗沙は中国が主張する最南端の領土である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南沙群島」の意味・わかりやすい解説

南沙群島
なんさぐんとう

「ナンシャー(南沙)群島」のページをご覧ください。

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