南美江(読み)ミナミ ヨシエ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「南美江」の解説

南 美江
ミナミ ヨシエ


職業
女優

本名
南波 房江(ナンバ フサエ)

別名
前名=美空 暁子

生年月日
大正4年 10月5日

出生地
広島県 広島市中区大手町

出身地
神奈川県 横浜市

学歴
横浜第一高女卒,宝塚音楽歌劇学校卒

経歴
昭和8年横浜第一高等女学校を卒業後、宝塚歌劇団に入り、9年美空暁子の名で「トゥランドット姫」で初舞台男役として活躍していたが、16年退団。17年かかりつけ医が長岡輝子を知っていた縁で、文学座研究生となり、新劇に転じる。19年南美江を名乗り、「怒涛」で新劇の初舞台を踏む。26年から1年間、ラジオ東京「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」に出演、チャッカリ夫人を演じてその名を知られるようになった。38年文学座を脱退してグループNLTの結成に参加。39年「バージニアウルフなんかこわくない」でマーサ役を演じ、芸術祭賞奨励賞。40年には三島由紀夫原作の「サド侯爵夫人」で夫人の母を演じ、生涯の当たり役となった。同年「バージニア・ウルフなんかこわくない」「サド侯爵夫人」で新劇演技賞を受賞。43年浪曼劇場、47年劇団雲を経て、50年から演劇集団円に所属。58年紀伊国屋演劇賞を受賞。平成13年別役実「当世風 雨月物語」が最後の舞台となった。上品な雰囲気の老女役で存在感を発揮した。他の出演作に、舞台「女の一生」「にんじん」「夜の向日葵」「天守物語」「黒蜥蜴」、映画「地獄門」「男嫌い」「Wの悲劇」「外科室」「NIGHT HEAD」、テレビ「ムー」「ノンちゃんの夢」などがある。

受賞
勲四等瑞宝章〔昭和63年〕 芸術祭賞奨励賞〔昭和39年〕,新劇演技賞(第10回)〔昭和40年〕,紀伊国屋演劇賞〔昭和58年〕

没年月日
平成22年 8月6日 (2010年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

百科事典マイペディア 「南美江」の意味・わかりやすい解説

南美江【みなみよしえ】

新劇女優。広島県広島市出身で,神奈川県横浜市で育つ。横浜第一高女(現神奈川県立横浜平沼高等学校)卒業。1933年,宝塚歌劇団に入る。42年,劇団文学座に研究生として入団,戦後は文学座で活躍する。63年,文学座退団,三島由紀夫らとNLTを結成,その後,劇団〈雲〉,演劇集団〈円〉などで活躍した。映画,TVにも数多く出演している。代表的な舞台に《サド侯爵夫人》《毒薬と老嬢》など。1983年の《サド侯爵夫人》の再演で,紀伊国屋演劇賞受賞。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「南美江」の解説

南美江 みなみ-よしえ

1915-2010 昭和-平成時代の女優。
大正4年10月5日生まれ。昭和8年宝塚音楽歌劇学校にはいり,宝塚少女歌劇団で男役として活躍。17年文学座に入団。NLT,浪曼劇場などをへて50年演劇集団円設立に参加,「サド侯爵夫人」などで評価された。「にごリえ」などの映画やテレビにも出演。平成22年8月6日死去。94歳。広島県出身。横浜第一高女卒。本名は南波房江。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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