(読み)エン

デジタル大辞泉 「厭」の意味・読み・例文・類語

えん【厭】[漢字項目]

[音]エン(呉)(漢) オン(慣) ヨウエフ)(呉)(漢) [訓]あきる いとう いや
〈エン〉いとう。いやになる。「厭世厭戦厭離穢土えんりえど倦厭けんえん
〈オン〉いとう。「厭離おんり
〈ヨウ〉おさえつける。「禁厭きんよう
[補説]慣用音で「エン」と読むことがある。

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精選版 日本国語大辞典 「厭」の意味・読み・例文・類語

いといいとひ【厭】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「いとう(厭)」の連用形名詞化 ) いやに思うこと。嫌い避けること。
    1. [初出の実例]「和射美(わざみ)の嶺行き過ぎて降る雪の猒(いとひ)もなしと申せその児に」(出典万葉集(8C後)一〇・二三四八)

いとわいとはし【厭】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙いとわしい(厭)

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普及版 字通 「厭」の読み・字形・画数・意味


14画

(異体字)
12画

[字音] エン・ヨウ(エフ)・アツ・オウ(アフ)・オン
[字訓] たる・あく・いとう・おさえる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
厂(かん)+(えん)。〔説文〕はと厭とをそれぞれ別に録し、五上には「くなり。甘に從ひ(ぜん)に從ふ」と甘肉に飽く意とし、厭九下には「(さく)なり」として「壓」の壓(圧)と解する。厂は聖所。は犬の肩肉で厭の初文。を供えて祀り、神が満足する意。

[訓義]
1. たる、あく。
2. は呪禁のために用いる。邪霊のいとうもの、いとう。
3. 圧服の呪儀として行う。おさえる、おす、ふせぐ、はらう、せまる。

[古辞書の訓]
名義抄〕厭 フサグ・カナフ・アク・イトフ・シヘタク・オサフ・マジワザ/ イトフ 〔字鏡集〕厭 アク・イトフ・ヲサフ・マジワザ・フサグ・カナフ・シヘタグ

[声系]
〔説文〕に厭声として黶・・壓など六字を収める。厭の声義を承けるものが多い。

[語系]
厭・魘iapは同声。魘に厭勝を加えることを壓という。揖ip、遏at、iet、壓eap、按an、inは、それぞれ声義において厭と通ずるところがある。

[熟語]
厭易・厭焉・厭厭・厭汚・厭悪・厭応・厭捍厭気厭宜・厭居・厭苦・厭・厭蠱厭恨・厭厭事厭縦・厭禳厭色・厭衰・厭世・厭絶・厭賤・厭然厭足・厭塞・厭怠・厭厭毒・厭悩・厭魅厭服・厭飽・厭満・厭飫・厭殺厭当厭離・厭劾厭日・厭勝・厭詛・厭・厭伏・厭夢・厭・厭抑
[下接語]
陰厭・盈厭・亀厭・欣厭・禁厭・厭・嫌厭・疲厭

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