デジタル大辞泉
「厳美渓」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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厳美渓
げんびけい
厳美町の滝ノ上・沖野々・鴻巣付近の磐井川の渓谷で、延長約二キロ。磐井川の水源地須川火山(栗駒山)初期の噴出物である柱状節理を有する石英安山岩質凝灰岩層からなる河床が長年の河水により浸食され、渓谷が形づくられた。数多い瀑布と甌穴により変化のある景観を呈し、天工橋を中心とした五〇〇メートルほどが最も美しい。享保四年(一七一九)の「観蹟聞老志」にはじめて砕玉瀑布として紹介され、二丈余を直下、広さ六尺余で「最足致壮観也」とある。しかし、その後の「封内名蹟志」には「今是を知るものなし」とされ、五串村の宝暦一三年(一七六三)の風土記書上(鈴木文書)や「安永風土記」にも玉滝など滝名七をあげているにすぎない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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厳美渓 (げんびけい)
岩手県南西部,一関市の西方,磐井川上流にある渓谷。栗駒山に源を発する磐井川が石英粗面岩を浸食し,約2kmにわたって急流,深淵,四十八滝,甌穴(おうけつ)などが渓谷美をつくる。川の下刻作用の過程を示すものとして興味深く,1927年名勝・天然記念物に指定された。中心地区五串の天工(てんぐ)橋付近には,旅館,休憩所などがあり,栗駒登山や平泉観光ルートの一拠点となっている。
執筆者:川本 忠平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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厳美渓
げんびけい
岩手県南西部、一関市(いちのせきし)西部にある磐井川(いわいがわ)の渓谷。岩手・秋田・宮城県境の栗駒(くりこま)山に源を発する磐井川が石英粗面岩の谷床を侵食し、急流の水食作用による甌穴(おうけつ)、深い淵(ふち)、奇岩、四十八滝など約2キロメートルに及ぶ渓谷景観をつくる。岩と水の美しさは格別で、大正期には日本百景の一つに選ばれ、昭和初期に国の名勝・天然記念物に指定された。中心部の天工橋(てんぐばし)付近には、展望台、四阿(あずまや)、旅館、売店などがあり、国定公園栗駒山や達谷窟(たっこくのいわや)、平泉(ひらいずみ)を巡る観光ルートの拠点となっている。JR東北新幹線一関駅からバスの便がある。
[川本忠平]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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厳美渓【げんびけい】
岩手県一関市にある磐井川上流の渓谷(名勝・天然記念物)。天工橋の上流約1kmにわたって石英粗面岩の岩盤が露出し,浸食されて奇景を呈する。1719年《観蹟聞老志》に紹介されており,1806年の天工橋竣工後は広く知られ,紀行文・漢詩文に記されている。東北新幹線一関駅からバスが通じる。
→関連項目一関[市]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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