(読み)キュウ

デジタル大辞泉 「及」の意味・読み・例文・類語

きゅう【及】[漢字項目]

常用漢字] [音]キュウ(キフ)(漢) [訓]およぶ および およぼす
ある線まで追いつく。ある範囲まで届く。「及第及落企及言及溯及そきゅう追及波及普及論及過不及
[名のり]いたる・しき・たか・ちか
難読埃及エジプト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「及」の意味・読み・例文・類語

および【及】

  1. ( 動詞「およぶ(及)」の連用形から )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 およぶこと。とどくこと。限り。
    1. [初出の実例]「これも心のおよびはいかでかおろかに侍らん」(出典:海人刈藻物語(1271頃)三)
  3. [ 2 ] 〘 接続詞 〙 ( 漢文訓読の際、「及」の訓として用いられ始めた。名詞と名詞とをつなぐ場合に用い、動詞や形容詞などには用いられない ) 先行の事柄と、後続の事柄とが並列の関係にあることを示す。ならびに。また。と。
    1. [初出の実例]「依と正と報と及(およヒ)生むと欲る因を脩ること」(出典:彌勒経疏寛平二年点(890))

及の語誌

( 1 )[ 二 ]は、漢文における接続用法の「及」「及与」「及以」などを訓読する際に、四段活用動詞「およぶ(及)」の連用形を、直訳語としてそのまま転用したもの。当初は、訓点資料では、これらの文字を不読にして、前後に並立助詞「と」や係助詞「も」を補読することが多く、「および」は、平安時代中期以降になってから、次第に一般化した。なお、この語は漢文訓読系の語であるため、和文文献にはほとんど例を見ず、院政期以降の片仮名まじり文においても例は少ない。
( 2 )法律では選択的接続が二段階にわたる場合、大きい方の接続に「並びに」を用い、小さい方の接続には「及び」を用いて区別する。

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普及版 字通 「及」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

(旧字)
4画

(異体字)
7画

[字音] キュウ(キフ)
[字訓] およぶ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
人+(又)(ゆう)。は手。後ろより手を延ばして、前の人に追い及ぶ形。〔説文〕三下に「(およ)ぶなり」と逮及・逮捕の意とする。古文第三字は(逮)を誤入している。は西周期の金文みえ、途上に相及ぶ意である。

[訓義]
1. およぶ、追いつく、いたる、およぼす、つづく、つぐ。
2. ともに、あわせて、あずかる。

[古辞書の訓]
名義抄 オヨブ・トシク・ツヒニ・イカカ・カヘス・イタル・トモニス・トトノフ/ オヒシキテ〔立〕 トモニス・シカントス・シク・ツヒニ・トトノフ・オヨブ・クダル・カイカヘス

[声系]
〔説文〕に声として(吸)・(急)・(扱)・(級)など十六字を収める。の声義を承け、は扱取、はその相及ぶさま、また・呷と同じく形況の語であろう。

[熟語]
及格・及・及時・及辰・及早・及属・及逮・及第・及等・及門
[下接語]
延及・遠及・可及・企及・言及・積及・沢及・覃及・追及・波及・比及・靡及・普及・連及・論及

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