反する(読み)ハンスル

デジタル大辞泉 「反する」の意味・読み・例文・類語

はん・する【反する】

[動サ変][文]はん・す[サ変]
反対になる。裏腹になる。「期待に―・する」「去年に―・して今年は雨が多い」
規則などに違反する。「約束に―・する」
命令や教えなどにそむく。「主命に―・する」「人の道に―・する」
[類語]背く裏切る内応する内通する気脈を通じる背信背徳背任する変心する寝返る密告するおためごかし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「反する」の意味・読み・例文・類語

はん‐・する【反】

  1. 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]はん・す 〘 自動詞 サ行変 〙
  2. うらはらになる。反対になる。
    1. [初出の実例]「漢は右を尊で天子は南面するぞ。匈奴は反するぞ」(出典:史記抄(1477)一五)
  3. 決められた約束や規則、他の意見などにそむく。もとる。違反する。
    1. [初出の実例]「父母の意に反(ハン)して」(出典小春(1900)〈国木田独歩〉四)
  4. 敵対する。謀叛(むほん)をおこす。叛する。
    1. [初出の実例]「一旦反すれども、又まいりてわび事を申せば御免あるぞ」(出典:漢書列伝竺桃抄(1458‐60)魏田韓第三)
  5. かえりみる。反省する。
    1. [初出の実例]「百家の学、今より以後、迷て反することを知らず」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)一〇)
  6. 漢字の音よみを示すのに他の漢字を借りて示す。和語の母音連続における音韻変化を説明するためにも用いられた。→反(はん)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「吾が背子が犢鼻(たふさき)にする円石(つぶれいし)吉野の山に氷魚そ懸有(さがれる) 懸有反云佐義礼流」(出典:万葉集(8C後)一六・三八三九)

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