口入れ(読み)クチイレ

デジタル大辞泉 「口入れ」の意味・読み・例文・類語

くち‐いれ【口入れ】

[名](スル)
中に立って両者の間を取り持つこと。また、奉公口縁談などの世話をすること。また、その人。
横合いから口出しをすること。
「いささか―を申したりけるを、俊頼腹だたしき気色にて」〈十訓抄・一〉
[類語]仲介取り持つ橋渡し仲立ち媒介取り次ぐ介する世話取り持ち口利き口添え肝煎きもい斡旋あっせん周旋紹介仲買媒酌お節介仲裁調停架け橋渡りを付ける引き合わせる中に立つ間に立つ取り成す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の口入れの言及

【女衒】より

…芸娼妓周旋人のこと。遊女の周旋は中世では〈人買い〉がこれを行い,江戸時代には〈人買い〉〈口入れ〉〈桂(慶)庵(けいあん)〉などとよぶ周旋業者がこれを兼ねたが,とくに娼妓を周旋する者を関東では女衒と俗称することがあった。生業上,女の姿形を見ることから〈女見(じよけん)〉といい,それがなまったものというが,確証はない。…

【人宿】より

…江戸時代,男女奉公人の周旋を業としたもの。町奉行所などの記録や法令では人宿とあるが,一般には,けいあん,口入,口入人などとよばれていた。人宿の語の初見は1640年(寛永17)であるが,より以前から使用されていたと思われる。江戸では若党や徒士(かち),中間(ちゆうげん)などの武家奉公人を多数必要とし,人宿を仲介とする雇用先の大半は武家方であった。人宿は奉公人の身元保証人(請人)となって判賃(判銭)を取り,また奉公先を周旋して契約が成立すると周旋料(口入料,口銭)をうけた。…

※「口入れ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」