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可鍛鋳鉄 かたんちゅうてつ malleable cast iron

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

可鍛鋳鉄
かたんちゅうてつ
malleable cast iron

マリアブル鋳物ともいう。白鋳鉄に特殊な処理を施して可鍛性をもたせたもので,2種ある。 (1) 白心可鍛鋳鉄 白鋳鉄を酸化鉄粉,ミルスケール (熱間圧延時にできる鋼材表面酸化物) で包んで鉄箱に詰め,炉中で 900~1000℃にゆっくり加熱し,数日そのままおいたあと炉中で徐冷する。

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デジタル大辞泉の解説

かたん‐ちゅうてつ〔‐チウテツ〕【可鍛鋳鉄】

白鋳鉄を加熱処理して、炭素を除いたりセメンタイト黒鉛化させたりし、可鍛性をもつようにした鋳鉄。

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百科事典マイペディアの解説

可鍛鋳鉄【かたんちゅうてつ】

普通の鋳鉄は片状黒鉛を含んだ組織がもろい性質であるため,黒鉛を含まない鋳造性のよい白銑を鋳込んだのち熱処理によって延性を与えたものが可鍛鋳鉄である。熱処理で炭素の一部を除去した白心可鍛鋳鉄と,炭化物を分解した黒心可鍛鋳鉄がある。
→関連項目鋳鉄

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大辞林 第三版の解説

かたんちゅうてつ【可鍛鋳鉄】

白銑鋳物として鋳造したのち、熱処理により含有炭素を脱炭または黒鉛化した鋳鉄。白心・パーライト・黒心の三種類がある。肉薄で強い鋳物ができるため、各種車両部品・電送部品などに利用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

可鍛鋳鉄
かたんちゅうてつ
malleable cast iron

鋳鉄の一種で、とくに粘さを大きくしたもの。鋳鉄鋳物は薄片状の黒鉛結晶を10%程度含むので、もろいという欠点がある。そこで、鋳鉄が凝固するときに、黒鉛結晶のかわりにセメンタイト結晶(鉄と炭素との化合物)を生ずるように鋳鉄の化学組成を調節し、いわゆる白鋳鉄鋳物をつくる。その後これを酸化性雰囲気で数日間900℃前後で加熱して炭素を除いたり、あるいは非酸化性雰囲気で950℃前後で数日間加熱後750℃前後でとくに徐冷することによってセメンタイト結晶を鉄と黒鉛結晶に分解し、このときの黒鉛は塊状の形態をとるので鋳鉄はもろくならないのを利用して延性のある鋳物をつくりうる。その破面の色により、炭素を除いてつくったものを白心可鍛鋳鉄、炭素を塊状黒鉛にしてつくったものを黒心可鍛鋳鉄という。また後者を750℃付近の徐冷を加えずに空冷すると高強度のパーライト可鍛鋳鉄が得られる。[井川克也]

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世界大百科事典内の可鍛鋳鉄の言及

【鋳鉄・鋳鋼】より

…原料としては,鋼より一けた以上不純物の許容量が大きく,それだけに安価であり,かつ溶湯の粘性が低いので,たとえば家庭用だるまストーブのような比較的薄肉の鋳造品を簡単な設備で製作することが可能である。なお鋳鉄には,炭素量を2.0~2.5%に下げ冷却によって炭素をセメンタイトとして析出させ,その後微粉状の酸化鉄に包んで長時間900~1000℃前後で熱処理を施して脱炭させ,延性に富む材料にした可鍛鋳鉄,クロムを添加して耐熱性を付与した耐熱鋳鉄,ニッケルを添加して耐食性を改良した特殊鋳鉄がある。熱間圧延ロールにはニッケルを2%以上含むニッケルグレン鋳鉄,ニッケルチルド鋳鉄の特殊鋳鉄がよく用いられる。…

【鉄】より

…また,ベリマンT.O.Bergman(1735‐84)が化学分析によって鉄中の炭素を測定し,鋳鉄と鋼と鍛鉄の相違は炭素含有量の多少によることを明らかにした。 フランスではR.A.F.deレオミュールが浸炭鋼と可鍛鋳鉄の製造法を研究し,錬鉄に〈塩・硫黄物質(炭素)〉が入って浸炭鋼になり,鋳鉄から〈塩・硫黄物質〉が除去されて可鍛鋳鉄になることを証明し,前述のベリマンの研究に先行している。彼はまた職人に任せられていた技術・産業に学者の研究が重要であることを強調し,産業と技術を科学的に体系化することを意図した。…

【鉄器】より

…鋳鉄が早く発達した原因として,青銅器鋳造技術の長い伝統の存在と,石炭を燃料として高温を獲得できたことが考えられる。戦国期には鍛造製の工具・武器とともに,鋳鉄製の鍬,鋤,犂,鎌,斧などの農工具の生産が活発となり,鋳造製の斧の刃先部分を鍛えて脱炭する可鍛鋳鉄も存在するなど,独特の鉄器加工技術をもつ点で注目に値する。この技術を基礎に,漢代には武器や農工具などの器種の分化が発達するとともに,広範な普及が認められる。…

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