出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
渥美(あつみ)半島の中ほど、愛知県田原(たはら)市吉胡町にある縄文時代後・晩期の貝塚。通称矢崎岩のある緩傾斜地から、前面の低地にかけて貝層の分布をみる。ハマグリ、オキシジミ、アサリ、マガキなどからなり、面積4000平方メートルを測る。1922年(大正11)と23年の二度にわたり、清野謙次(きよのけんじ)らによる発掘が行われ、全部で300体を超える多数の人骨が出土した。これらは、屈葬、伸展葬などの葬法を示していたが、なかには四肢骨で区画した中に頭骨その他を集めた「盤状集積葬」とよばれる特殊なものもあった。乳幼児骨は土器棺に納められていた。なお、わずかな例ではあるが、弥生(やよい)時代の初めに属する土器棺の中には火葬および洗骨の成人骨が入っていた。1947年(昭和22)文化財保護委員会は、この貝塚を国の史跡に指定するとともに、越えて1951年には、県教育委員会と共催で発掘調査を実施し、その重要性をいっそう明らかにした。
[岡本 勇]
愛知県田原市吉胡町矢崎にある縄文時代後期後半~晩期の貝塚。渥美半島の中ほど,渥美湾に連なる小さな入江に面した標高約6mの沖積地にあり,背後に標高15~20mの洪積台地が迫る。貝塚はハマグリを主体にオキシジミ,アサリ,マガキなどからなる鹹水(かんすい)産貝塚で,面積は約4100m2とあまり広くない。清野謙次による1922,23年の発掘で308体,文化財保護委員会,愛知県教育委員会による51年の発掘で33体,合計341体の人骨を見た最大級の縄文時代墓地である。埋葬法は屈葬,伸展葬,甕棺葬,盤状集積葬などと変化に富んでいる。抜歯を施した成人骨はおおよそ133例中125例と多く,叉状研歯(さじようけんし)は7体に認められた。人骨の分布から,秋田県大湯環状列石に類似した環帯状にめぐる墓域が東西に2基存在すると考える説がある。豊富な人骨は,縄文時代の習俗を知るうえで貴重な資料となっている。
執筆者:泉 拓良
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新