名誉職(読み)メイヨショク

デジタル大辞泉 「名誉職」の意味・読み・例文・類語

めいよ‐しょく【名誉職】

他に本業を有してよいかわりに、俸給または報酬を受けないで従事する公職
[類語]要職重職閑職役職激職顕職現職前職

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精選版 日本国語大辞典 「名誉職」の意味・読み・例文・類語

めいよ‐しょく【名誉職】

  1. 〘 名詞 〙 他に本業をもつことができ、生活費としての俸給または給科を受けない公職。有給職に対するもの。地方自治法施行以前は町村長・町村助役・府県会議員・市会議員などがこれにあたるとされていたが、現在では民生委員保護司などをいう。
    1. [初出の実例]「町村長及助役は名誉職とす」(出典:市制及町村制(明治二一年)(1888)町村制)

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改訂新版 世界大百科事典 「名誉職」の意味・わかりやすい解説

名誉職 (めいよしょく)
honorary post
honorary office

他に本業をもっていて,生活費としての俸給(給料)を受けないで,国や公共団体などの公職につく者。有給職に対する概念。公の職が収入源とならず,単にその地位につくという名誉を与えられるにとどまることからこの名称が用いられる。ただし,職務に必要な実費弁償,勤務に対する報酬や手当を受けることは妨げない。一般に,ヨーロッパで,自治行政は名誉職によって担われるものであるという伝統があり,19世紀まで,ドイツやイギリスでも地方自治行政は,名誉職によって担当されてきた。日本でも,旧地方制度において,町村長,町村助役等は,原則として名誉職とされていた。現行地方制度においてはこれらを有給職とした。現行制度下にあって,民生委員保護司がこれに当たる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「名誉職」の意味・わかりやすい解説

名誉職
めいよしょく

ほかに本業をもってよいかわりに、俸給または報酬を受けないで従事する公職。有給職に対する観念であるが、職務に伴う実費弁償や勤務に対する報酬を受け取ることはできる。明治憲法下の市制・町村制の下では、町村長・町村助役など多くの役職が名誉職とされていた。日本国憲法下では廃止され有給職となり、一定の職につくことが禁止された。

[福家俊朗]

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