化学反応が進行するにつれて、熱を吸収する反応をいう。これに対し、熱を発生する反応を発熱反応という。化学反応が一定の温度の下で原系から生成系へとおこる場合、反応を完結させるために外部から熱量を吸収しなければならない反応が吸熱反応である。系のエネルギーをエンタルピー(熱含量)で表せば、この吸熱部分だけ系のエンタルピーHは増加する(ΔH>0)。
2Cl2+O2―→2Cl2O-126.4kJ
または
2Cl2+O2―→2Cl2O ΔH=126.4kJ
などがその例である。一般に吸熱反応は自然にはおこりにくいので、温度を上げて反応を進める必要がある。この吸熱反応が可逆反応で、それが平衡に達したとき、平衡定数は温度が上昇するとともに増加する。
[戸田源治郎]
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原系から生成系に変化する際,熱の吸収を伴う化学反応をいう.発熱反応の逆に相当する.ただし,核反応では,ある一定のエネルギーを供給されてはじめて進行する反応をいい,この際,生成系の質量は原系より増加する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…この仮説によれば,発熱反応のみが自発的に起こることになる。しかし一連の反応熱の精密測定によって多くの反応は確かに発熱反応であるが,吸熱反応も少数ではあるが確実に起こることが確かめられ,この仮説は一般的には成り立たないことがしだいに明らかとなった。現在,化学反応が起こりうる条件は熱力学によって十分明らかにされている。…
…このような反応を発熱反応という。逆にQが負の場合は吸熱反応と呼ばれ,-Q以上のエネルギーを与えなければ反応は起こらない。 核反応はまた反応に関与する陽子や中性子の離合集散のしかたによってさまざまに分類される。…
※「吸熱反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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