吸熱反応(読み)きゅうねつはんのう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

吸熱反応
きゅうねつはんのう

(1) endothermic reaction  CO2+H2→CO+H2O-9.84kcal のように,熱の吸収を伴って進行する化学反応。発熱反応の逆。
(2) endoergic reaction エネルギー吸収を伴う原子核反応。 (→Q値 )

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百科事典マイペディアの解説

吸熱反応【きゅうねつはんのう】

周囲から熱を奪って進む化学反応。たとえば2Cl2+O2=2Cl2O−126.4kJ。一般に吸熱反応は自然には起こりにくく,加熱するなど外からエネルギーを与えてやる必要がある。発熱反応の逆。ふつう見られる化学反応は発熱反応である。

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうねつはんのう【吸熱反応 endothermic reaction】

熱の吸収を伴う化学反応をいい,この逆を発熱反応と呼ぶ。大部分の化学反応は後者であるので,発熱量こそ化学反応の推進力と考えられた時代もある。しかし,アンモニアの水への溶解反応,ベンゼンとピリジンの混合反応など,今日では多くの吸熱反応が見いだされている。発熱反応【菅 宏】

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大辞林 第三版の解説

きゅうねつはんのう【吸熱反応】

周囲からの熱の吸収を伴う化学反応。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

吸熱反応
きゅうねつはんのう
endothermic reaction

化学反応が進行するにつれて、熱を吸収する反応をいう。これに対し、熱を発生する反応を発熱反応という。化学反応が一定の温度の下で原系から生成系へとおこる場合、反応を完結させるために外部から熱量を吸収しなければならない反応が吸熱反応である。系のエネルギーをエンタルピー(熱含量)で表せば、この吸熱部分だけ系のエンタルピーHは増加する(ΔH>0)。
  2Cl2+O2―→2Cl2O-126.4kJ
または
  2Cl2+O2―→2Cl2O ΔH=126.4kJ
などがその例である。一般に吸熱反応は自然にはおこりにくいので、温度を上げて反応を進める必要がある。この吸熱反応が可逆反応で、それが平衡に達したとき、平衡定数は温度が上昇するとともに増加する。[戸田源治郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

きゅうねつ‐はんのう キフネツハンオウ【吸熱反応】

〘名〙
周囲から熱を吸収することによって進行する化学反応。窒素が酸素と化合して酸化窒素を生ずるなどの反応がその一例である。⇔発熱反応。〔稿本化学語彙(1900)〕
原子核反応でQ値が負となる反応。核反応を起こすのに必要な衝撃粒子の最小エネルギーが、ある一定値以上の運動エネルギーをもっている場合に起こる。

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世界大百科事典内の吸熱反応の言及

【化学反応】より

…この仮説によれば,発熱反応のみが自発的に起こることになる。しかし一連の反応熱の精密測定によって多くの反応は確かに発熱反応であるが,吸熱反応も少数ではあるが確実に起こることが確かめられ,この仮説は一般的には成り立たないことがしだいに明らかとなった。現在,化学反応が起こりうる条件は熱力学によって十分明らかにされている。…

【核反応】より

…このような反応を発熱反応という。逆にQが負の場合は吸熱反応と呼ばれ,-Q以上のエネルギーを与えなければ反応は起こらない。 核反応はまた反応に関与する陽子や中性子の離合集散のしかたによってさまざまに分類される。…

※「吸熱反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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