出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
福井県越前市(えちぜんし)東部、武生(たけふ)盆地の南東隅にある地区。岡本、粟田部(あわたべ)地区一帯をも含めて広く味真野の里とよんでいる。『和名抄(わみょうしょう)』所載の味真郷(ごう)とされる。越前国府(越前市)に近く、『万葉集』巻15の贈答歌「味真野に宿れる君が帰り来(こ)む時の迎へを何時(いつ)とか待たむ」や、謡曲『花筐(はながたみ)』ゆかりの地である。野々宮(ののみや)廃寺跡、小丸(こまる)城跡などの旧跡にも恵まれているほか、越前市五分市(ごぶいち)の鋳物師(いもじ)や、同市五箇(ごか)の紙漉(かみす)きで知られ、また真宗出雲路(いずもじ)派本山毫摂寺(ごうしょうじ)の所在地でもある。
[印牧邦雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報