呵責・呵嘖(読み)かしゃく

精選版 日本国語大辞典 「呵責・呵嘖」の意味・読み・例文・類語

か‐しゃく【呵責・呵嘖】

〘名〙
① しかり責めること。責めさいなむこと。
※仏足石歌(753頃)「呵嘖生死
今昔(1120頃か)一三「彼の聖人嗔恚(しんい)を以て弟子童子を呵嘖し罵詈(めり)す」 〔魏志‐高貴卿公伝〕
② 仏語。罪を犯した僧尼に加える七種の治罪法の一つ。衆の面前呵責して三五種の権利を取りあげるもの。〔行事鈔‐上・二〕
[補注](1)もとは仏教語で、人前で責める罰法が転じて一般的に責めさいなむ意になったもの。用字には「呵嘖」「苛責」「訶責」などさまざまなものがあったが、カシャクはその呉音よみ。
(2)「仏足石歌」「今昔」はこの辞典では呉音よみとしてこの項に載せたが、カシャクの確例は「文明本節用集」(室町中期)が初出であり、それ以前の「色葉字類抄」などの古辞書類は多く日本漢音と見られるカセキを載せる。キリシタン資料にはカシャクのみで、室町末ころよりカシャクが主流になった。

か‐せき【呵責・呵嘖】

〘名〙 =かしゃく(呵責)〔色葉字類抄(1177‐81)〕
曾我物語(南北朝頃)一一閻魔法王かせきことばを聞」

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