明治・大正期の養魚事業家
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
(徳井利信)
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水産増殖研究家。秋田県鹿角(かづの)市十和田(とわだ)出身。鉱山会社藤田組で養魚の研究に従事している間に養魚への関心が深まり、水産増殖の研究を志した。1884年(明治17)十和田湖へコイの稚魚の放流を試みて以来、同湖の水産振興に努めた。1902年北海道支笏(しこつ)湖から、本州としては初めてヒメマスの卵3万粒を私費によって購入し、翌年孵化(ふか)した稚魚を放流し、3年後にその成功を確認した。彼の努力により、十和田湖は各地湖沼へのヒメマス種卵の主要供給源になった。のちには十和田の観光開発にも貢献した。
[鈴木 亮]
1858.2.15~1922.5.16
明治・大正期の養魚家。陸奥国鹿角郡生れ。栄養不足のため魚のすまない十和田湖で,コイ・フナ・マスなどを放流するが失敗。苦心の末,1902年(明治35)支笏(しこつ)湖のヒメマスの卵を人工孵化して稚魚放流に成功。八郎潟の小エビを移植し餌の問題を解決。十和田湖全体の漁業権を認可されたが,第2次大戦後,漁業制度改革によって独占権を失った。功績は昭和10年代に「国語読本」に紹介され著名となった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…農業は稲作を中心にイチゴ栽培,肉牛の放牧も行われている。十和田湖南岸の生出(おいで)は通称和井内で,和井内貞行がヒメマスの孵化(ふか)事業に尽力した地である。【佐藤 裕治】。…
…湖をとりまく外輪山には御鼻部(おはなべ)山(1011m),白地山(1034m),十和田山(1054m)などがあり,観光道路は西側の滝ノ沢峠,南側の発荷(はつか)峠と東側の湖の排水口にあたる奥入瀬(おいらせ)川渓谷沿いに通じている。 湖には魚類は生息していなかったが,1903年に十和田銀山の技師和井内(わいない)貞行が北海道の支笏(しこつ)湖原産のヒメマスの稚魚5万尾を放流し,養殖に成功してから魚がすむようになった。〈和井内マス〉として知られ,西岸の生出(おいで)に和井内養魚場がある。…
…ヤマベに比べると扁平なので)と呼ばれ,1908年に姫鱒の名が北海道庁の森脇幾茂により与えられた。支笏湖よりさらに日本各地へ移殖され,和井内貞行(1858‐1922)による十和田湖への移殖の話は有名である。体背部は灰青色,腹部は銀白色で,産卵期には雌雄とも緑褐色と朱紅色の婚姻色を体側の中央部のみに現す。…
※「和井内貞行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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