和魂漢才(読み)ワコンカンサイ

デジタル大辞泉 「和魂漢才」の意味・読み・例文・類語

わこん‐かんさい【和魂漢才】

《「菅家遺誡かんけいかい」から。もとは、学問から得た知識と実生活上の才知の意で、総合的な判断力をさした語》中国の学問を学んで、それを日本固有の精神に即して消化すること。

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精選版 日本国語大辞典 「和魂漢才」の意味・読み・例文・類語

わこん‐かんさい【和魂漢才】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「やまとだましい」と「からざえ」を漢語対句としたもの ) 学問としての漢学を学ぶと同時に実際事例に対しての適切で総合的な判断力の必要をいったもの。後世、「やまとだましい」の語義推移につれて変化し、日本人固有の精神をもって中国伝来の学問や知識を取捨・活用することの必要性と重要性を説く理念を表わす語となった。
    1. [初出の実例]「凡国学所要、雖渉古今天人、其自和魂漢才、不其閫奥矣」(出典菅家遺誡(鎌倉末か)一)

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四字熟語を知る辞典 「和魂漢才」の解説

和魂漢才

日本人固有の精神と、中国伝来の学問。中国伝来の知識や学問を日本古来の精神によって消化していくこと。

[使用例] 和魂漢才という事もあって、日本には日本の長所がある[徳富蘆花黒潮|1902~05]

[使用例] 和魂漢才という言葉がある。菅原道真造語であるというが、もっと後世になってできたものかもしれない[花田清輝*小説平家|1965~67]

[解説] 「やまとだましい」と「からざえ」を漢語の対句としたもの。もとは、学問としての漢学を学ぶと同時に実際の事例に対しての適切で総合的な判断力の必要をいった語。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「和魂漢才」の意味・わかりやすい解説

和魂漢才
わこんかんさい

「和魂」は日本民族固有の精神,「漢才」は中国伝来の知識,学問をいう。 10世紀頃より現れた概念で,日本固有の精神をもって中国の学問を吸収,消化することを意味し,日本の文化,学問の特質をなすにいたった。

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