唯心(読み)ゆいしん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

唯心
ゆいしん

仏教用語。すべての現象は心によって産出されたもので,本質上実在するものではなく,心のみが一切の根源であり最高の実在であることを示す語。『華厳経』の三界唯心という語に基づく。

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デジタル大辞泉の解説

ゆい‐しん【唯心】

仏語。すべての存在は心の現れであって、ただ心だけが存在するということ。華厳経の中心思想。
すべての根源が精神にあるとし、精神を中心に考えること。⇔唯物

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大辞林 第三版の解説

ゆいしん【唯心】

〘仏〙
この世のすべての事物・現象は心が変化して生じたものであり、心の外なる存在はありえないとする華厳経の中心思想。
仏や真理が自分の心の内部にあるとする考え。
〘哲〙 心や精神的なものを、実在するものあるいは中心的なものと考える立場。 ⇔ 唯物

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精選版 日本国語大辞典の解説

ゆい‐しん【唯心】

〘名〙
仏語。一切の諸法はそれを認識する心の現われであり、存在するのはただ心だけであるということ。華厳経(けごんきょう)の中心思想であるが、また唯識と同義にも用いる。
※秘蔵宝鑰(830頃)下「不自心為天獄豈悟唯心除禍災」 〔成唯識論‐二〕
② 仏語。自己の心の本性に仏や浄土が内在するとすること。仏や浄土はわが心の中にあるという考え。→唯心の彌陀
※教行信証(1224)三「末代道俗、近世宗師沈自性唯心浄土真証
精神だけが真の存在であるとして、精神を本位として考えること。→唯心論
※精神啓微の評(1889)〈森鴎外〉「夫れ余は物、唯心━正しく言へば主物、主心━の二派の併行を望めり」

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