デジタル大辞泉 「唯」の意味・読み・例文・類語

ただ【唯/×只/但】

《「ただ」と同語源》
[副]
そのことだけをするさま。それよりほかにないと限定するさま。ひたすら。もっぱら。「―時間ばかりかかる」「―無事だけを祈る」
数量程度などがごく少ないさま。わずかに。たった。「正解は―の三人だった」「―一度しか休まない」
(「ただ」+動詞の連用形+「に」+動詞の形で)そのことだけが行われるさま。ひたすら。「―泣きに泣く」
[接]前述事柄に対して、条件をつけたりその一部を保留したりするときに用いる。ただし。「出かけていい。―、昼までには帰るように」
[類語](1ひたすら専らたんただひとえいついちずひたむき一筋ただただ専一一心一念一路一散一目散一直線一本槍一点張り一辺倒一意専心営営せっせ遮二無二無二無三がむしゃら一心不乱脇目も振らずひとえにまっしぐらしゃかりきしゃにむに無心粉骨砕身無我夢中熱中夢中直線的専心専念没入没頭没我傾注傾倒猪突猛進ストレート我を忘れるこんを詰める身を入れる身を砕く心血を注ぐ/(2たったたかがせいぜいわずか僅僅きんきんたかだか少ない少しほんの少しく少少ちょっとちょいとちとちっとちょっぴりいささかいくらかいくぶんやや心持ち気持ち多少若干二三少数少量数えるほどしばらくなけなし低い手薄少なめ内輪軽少軽微微弱微微微少僅少きんしょう些少さしょう最少微量ちびちび一つまみ一握り一抹一息紙一重すずめの涙鼻の差残り少ないちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼりちらり爪のあか小口ささやか寸毫すんごうプチほのか幾ばく微塵みじん些細ささいまばらあるかなきか一縷いちる心ばかりしるしばかり形ばかり/(但しもっととは言えだが

ゆい【唯】[漢字項目]

常用漢字] [音]ユイ(呉) (ヰ)(漢) [訓]ただ
〈ユイ〉ただ…だけ。「唯一唯識・唯美・唯我独尊唯心論唯物論
〈イ〉「はい」という承諾の返事。「唯唯諾諾/諾唯」

い【唯】[漢字項目]

ゆい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「唯」の意味・読み・例文・類語

たんだ【唯】

  1. 〘 副詞 〙 「ただ(唯)」を強めていう語。
    1. [初出の実例]「たんだ弱りに弱り、すでに末期に見え候ふ時」(出典:謡曲・隅田川(1432頃))

【唯】

  1. 〘 感動詞 〙 相手のことばに謹んで従うことを表わす返事のことば。はい。〔論語‐里仁〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「唯」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] イ(ヰ)・ユイ
[字訓] しかり・これ・ただ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
口+隹(すい)。〔説文〕二上に「するなり」とあり、唯諾は応答の語である。また口に従う字とするが、口は祝告の器である(さい)で、祈り。そのが蠱(こ)に禍されているときは雖となり、保留・限定の意となる。唯は鳥占(とりうら)。はじめ隹を用い、のち唯・惟・維を用いる。鳥占によって神意の是とするところを隹という。肯定の応答である。

[訓義]
1. しかり、はい、よし。
2. 発語の辞に用いて、これ。
3. 神意によって与えられる特定のもの、唯一のものとして、ただ。卜辞に「唯(あ)り」と用いることがあり、その限定した用法とみてよい。

[古辞書の訓]
名義抄〕唯 タダ・ヒトリ・タカシ 〔立〕唯 ウケタマハル・モハラ・ヒトリ・タダ・タカシ

[語系]
唯・維jiui、隹tjiui、雖siuiは一系の語。隹が初文。雖は唯の逆接態。また、有hiuも声近く、古くは隹・唯をその義に用いることがあり、のちその限定義に用いる。

[熟語]
唯阿・唯唯・唯謹・唯今・唯是・唯然・唯諾・唯独・唯兪・唯一・唯識・唯心
[下接語]
阿唯・応唯・諾唯

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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