中国東北部、遼寧(りょうねい)省南部の地級市。遼河(りょうが)の河口に位置し、東北の重要な海港の一つである。4市轄区を管轄し、大石橋(だいせっきょう)、蓋州(がいしゅう)の2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口235万4500(2014)。19世紀末から20世紀初頭にかけては、遼河の水運による内陸部の農産物の集貨量は100万トンを超えたが、南満州鉄道の開通、大連(だいれん)の開港により繁栄を奪われた。しかし現在も哈大(はだい)線(ハルビン―大連)の支線が通じ、港湾の機能を有し、2016年には市中心部の南東約20キロメートルに営口蘭旗空港が開港した。紡織、機械、製紙、化学、食品などの工業が発達している。南部の熊岳(ゆうがく)ではリンゴの栽培が盛んに行われている。
[河野通博・編集部 2017年4月18日]
中国,遼寧省にある省直轄市。市部人口70万(2000)。旧名は没溝営。鎮海営の駐屯地であったのと,遼河の河口に当たっていたので営子口とも呼ばれ,営口と略称されていた。清代,1866年(同治5)営口海防同知がおかれ,1909年(宣統1)海城・蓋平2県の地を割いて営口直隷庁がおかれ,13年県となり,38年営口県の一部を割いて市制施行。遼寧省の重要海港の一つで,1858年(咸豊8),天津条約による牛荘(ニユーチヤン)の開港にともない,イギリス領事館が営口に設けられた。ために当時外国ではニューチャンの名で呼ばれていた。東北産の大豆の大部分を輸出したが,のち大連に繁栄を奪われた。今は紡織,機械,化学,食品,紙パルプ工業の盛んな工業都市。営口県の県治は市の東方の大石橋におかれていたが,1992年から大石橋市と改名した。米,綿,リンゴ,サクサン糸を産し,マグネシウムの豊富な埋蔵で知られ,瀋大線(瀋陽~大連)に沿う。大石橋から営口市に支線の営口線が分岐。営口に近い海城県に原発建設の計画がある。
執筆者:河野 通博
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