嘉峪関(読み)カヨクカン

デジタル大辞泉 「嘉峪関」の意味・読み・例文・類語

かよく‐かん〔‐クワン〕【嘉峪関】

中国甘粛省北西部の都市万里長城西端にあたり、関所があった。

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精選版 日本国語大辞典 「嘉峪関」の意味・読み・例文・類語

かよく‐かん‥クヮン【嘉峪関】

  1. [ 一 ] 中国北辺の城壁、万里の長城の西端にある関門。明代初めに設置西域と結ぶ通商、軍事上の要衝
  2. [ 二 ] 中国、甘粛省西北部、蘭新鉄道に沿う工業都市鉄鋼コンビナートがある。地名はこの地にある[ 一 ]に基づく。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「嘉峪関」の意味・わかりやすい解説

嘉峪関
かよくかん / チヤユーコワン

中国、甘粛(かんしゅく)省西部の地級市。同名の市轄区のみを管轄する(2016年時点)。常住人口23万1853(2010)。嘉峪山麓(さんろく)の要地で、古くから東西交通路の要害であった。明(みん)代の1372年、馮勝(ふうしょう)(?―1395)による河西(かせい)平定に伴い、万里の長城の西端であるこの地に、北辺の前線基地として嘉峪関が設けられ、軍隊が常駐した。現在でも3層の城楼や二重の城壁などが残っており、1987年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)により、「万里の長城」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

 蘭新線、嘉鏡線(嘉峪関―鏡鉄山(きょうてつざん))、嘉策線(嘉峪関―策克口岸)が通じ、市街近郊には嘉峪関空港がある。冶金化学機械紡績、食品加工などの工場が立地する。

[關尾史郎・編集部 2017年6月20日]

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改訂新版 世界大百科事典 「嘉峪関」の意味・わかりやすい解説

嘉峪関 (かよくかん)
Jiā yù guān

中国,甘粛省北西部,酒泉市の西,蘭新鉄道(蘭州~ウルムチ)沿線の町。人口16万(2000)。明代の長城の西端で,14世紀後半西北辺境の軍事基地として二重の城壁に囲まれた〈関〉が設置された。1956年,南の鏡鉄山の鉄鉱石が開発され,2年後,それを基礎にした鉄鋼コンビナートがこの地に建設されるにいたり,今日では鉄鋼を中心に機械,化学などの工業が発展している。
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世界大百科事典(旧版)内の嘉峪関の言及

【甘粛[省]】より

…ここには,石油精製,鉄鋼,金属冶金,石油関係などの機械製造,石油化学,製紙,毛紡織,食品その他の各種工業が発達している。また,玉門の石油,嘉峪関(かよくかん)の鉄鋼,金昌のニッケル,天水の機械,紡織,食品,平涼や床陽の紡織などの工業がみられる。なお,伝統工芸品として,祁連山脈の玉石を原料とした酒泉の〈夜光杯〉などの玉製品や天水の漆製品が知られている。…

※「嘉峪関」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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