四日市市(読み)ヨッカイチシ

デジタル大辞泉 「四日市市」の意味・読み・例文・類語

よっかいち‐し【四日市市】

四日市

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日本歴史地名大系 「四日市市」の解説

四日市市
よつかいちし

面積:一九六・七七平方キロ

県の北部に位置し、東は伊勢湾。西は三重郡菰野こもの町と一部滋賀県。北は東より三重郡川越かわごえ町・朝日あさひ町、桑名市、員弁いなべ東員とういん町・大安だいあん町と接する。南は三重郡くす町と鈴鹿市。西方鈴鹿山脈から東流して伊勢湾に注ぐ北から朝明あさけ川・海蔵かいぞう川・三滝みたき川・内部うつべ川・鈴鹿川によって形成された扇状地と、三角洲上にある。東は平野、西は丘陵地帯で、とくに西際の一帯は鈴鹿国定公園に指定されている。文明五年(一四七三)六月日の外宮庁宣(「文明年中宮司引付」神宮文庫蔵)の宛所に「四ケ市庭浦」と出る。地名の由来は、毎月四日・一四日・二四日に市が立ったことによる(享和元年「四日市町諸色明細帳」四日市市立図書館井島文庫蔵)

〔原始・古代〕

縄文時代の遺跡はきわめて少ないが、早期のものとして一色山いつしきやま遺跡(堂ヶ山町)、中期では西にしひろ遺跡(伊坂町)、後期のものとして丸岡まるおか遺跡(西村町)などがある。弥生時代の大谷おおたに(生桑町)永井ながい(尾平町)の遺跡からは住居跡とともに方形周溝墓がそれぞれ二基ずつ確認された。このほか山奥やまのおく遺跡(羽津町)では五角形の竪穴住居跡が、東日野ひがしひの遺跡(東日野町)からも後期住居跡が発掘されている。また伊坂いさか町では江戸時代末に銅鐸が発見された。古墳は市内で約一六〇基が確認されているが、ほとんどが後期の円墳。北伊勢でも有数といわれる神社しでじんじや古墳(羽津町)は前方後円墳。ただし現在は後円部のみ残存。朝明川北岸台地上のひろ古墳群(大鐘町)は方墳四基を含む。内部川南岸の八幡塚はちまんづか古墳(小古曾町)はこの地域最大の円墳。そのほか、海蔵川中流の御池おいけ古墳群(西坂部町)日永ひなが集落西方の貝野谷かいのだに古墳があるが、いずれも平野の出口付近に位置する。

和名抄」による古代郡郷は、朝明郡は豊田とよだ額田ぬかた訓覇くるべ大金おおがね杖部はせつかべ田光たびか、三重郡に刑部おさかべ柴田しばた葦田あしみた采女うねめ河後かわじりがある。天平一九年(七四七)の大安寺伽藍縁起并流記資財帳(奈良市正暦寺蔵)によれば、大安だいあん寺の墾田のうち当市内に含まれると考えられるのは「宮原肆拾町」「赤松原百町」「河内原六十町」「采女郷十四町」「日野百町」の計三一四町。うち開田二九町五反。天平勝宝九年(七五七)には東大寺領三重庄が出る(「東大寺諸荘文書并絵図等目録」百巻本東大寺文書)。朝明・三重両郡には条里制が施行されたと考えられるが、旧朝明郡地域に関しては文献史料はない。旧三重郡地域では、延暦二〇年(八〇一)の神宮寺伽藍縁起并資財帳(多度神社蔵)に「三重郡六条五鍬柄里七海辺田玖段陸拾歩」と出るほか、承徳三年(一〇九九)四月日・同七月日の民有年解案(書陵部蔵壬生家古文書)には「河後郷三条十七粟生里十三坪」「良田郷四条十三日長里廿五坪」などが出る。

四日市市
よつかいちし

2005年2月7日:四日市市が三重郡楠町を編入
【楠町】三重県:三重郡
【四日市市】三重県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四日市市」の意味・わかりやすい解説

四日市〔市〕
よっかいち

三重県北部,伊勢湾に臨む市。 1897年市制。第2次世界大戦までに富田町など近隣の2町7村を編入,市域を拡大。 1954年小山田村,川島村,神前村,桜村,三重村,県村,八郷村,下野村,大矢知村,河原田村の 10村,1957年水沢村,保々村と三鈴村の一部をそれぞれ編入。 2005年には町を編入した。中部から沿岸部は伊勢平野の沖積地,背後は洪積台地で,西部は鈴鹿山脈東斜面となる。文明2 (1470) 年田原忠秀が浜田に築城,城下に市を開いたのが起源で,弘治年間 (1555~58) の頃から毎月四のつく日に市が立つようになり市場町として発展。江戸時代には東海道宿場町となり,桑名とともに熱田との間の海上路の拠点でもあった。鉄道時代になって路線からはずれ一時さびれたが,1888年地元資本により私鉄関西鉄道 (現 JR関西本線) が設立され,工場誘致に努め,工業都市への転換がはかられた。第2次世界大戦までは紡績と陶磁器 (→万古焼 ) が主であったが,戦後日本最大規模の石油化学コンビナートが立地。 1963年からは北部埋立地に立地した午起 (うまおこし) コンビナートも加わり,総面積 600万m2の大規模コンビナートとなった。また,四日市港は 1899年開港場の指定を受け国際貿易港として発展,中京工業地帯への石油,羊毛の輸入港,鈴鹿市で産する自動車,オートバイの輸出港として重要となった。農業では米作のほかチャ (茶) や花卉などの栽培が行なわれる。広古墳群をはじめ旧跡,古社寺も多く,東阿倉川のイヌナシ自生地,西阿倉川のアイナシ自生地,御池沼沢植物群落はそれぞれ国の天然記念物。西部の鈴鹿山地一帯は鈴鹿国定公園に属する。市街地南部の追分は東海道 (国道1号線) と参宮街道の分岐点。海岸部を国道 23号線が通るほか,近畿日本鉄道名古屋線,西部に東名阪自動車道が通じる。面積 206.52km2。人口 30万5424(2020)。

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