デジタル大辞泉 「四門」の意味・読み・例文・類語 し‐もん【四門】 1 東西南北の四方の門。すべての門。2 内裏で、東西南北の四方にあった建春門・宜秋ぎしゅう門・建礼門・朔平門の総称。3 仏語。㋐密教の曼荼羅まんだらの四方に配された門。東の発心門、南の修行門、西の菩提ぼだい門、北の涅槃ねはん門。㋑天台宗で説く、真理に悟入するための四つの門。有門・空門・亦有亦空やくうやくくう門・非有非空門。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「四門」の意味・読み・例文・類語 し‐もん【四門】 〘 名詞 〙① 東・西・南・北の四つの門。転じて、すべての門。[初出の実例]「穆穆四門客、済済三徳人」(出典:懐風藻(751)初春侍宴〈大伴旅人〉)「間者(しのびのもの)ならんに、はやく松寿に告しらして、四門(シモン)を固めよ」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺)[その他の文献]〔書経‐舜典〕② 特に、内裏の東・西・南・北の門。建春・宜秋・建礼・朔平の四つの門の総称。[初出の実例]「内裏へ参り給たれば、四門徒(いたづら)に開き、警固の武士は一人もなし」(出典:太平記(14C後)八)③ 仏語。天台宗で説く、実相の理に悟入する四つの門。有門(うもん)・空門・亦有亦空(やくうやっくう)門・非有非空門の総称。蔵教・通教・別教・円教の四教の一々に四門を説く。[初出の実例]「うもん、くうもん、ひうひくうもん、やくうやっくうもんの、四もんをむねとして」(出典:虎明本狂言・泣尼(室町末‐近世初))④ 仏語。密教で修行の階程として東南西北に配して説くもので、真言曼陀羅の方位に配した四つの門。東を発心門、南を修行門、西を菩提(ぼだい)門、北を涅槃(ねはん)門という。〔いろは字(1559)〕 よつ‐もん【四門】 〘 名詞 〙 江戸時代、遊郭で夜の四つ時(午後一〇時頃)、打ち回る太鼓を合図に大門を閉じたこと。遊客は泊まり客を除いてこの時間を限りとして帰るのが定めであった。[初出の実例]「又さはくうちに四つ門(モン)うつとて触れば、名残り惜きは親にかかり」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例