回心(読み)かいしん(英語表記)conversion

翻訳|conversion

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

回心(かいしん)
かいしん
conversion

「えしん」ともいう。既往の価値観が崩れ、まったく新しい価値の誕生により人格(パーソナリティー)の構造が変化すること。その意味で自己の新生ともいう。宗教上の価値では、無宗教から信仰へ、ある宗教から別の宗教へ、信仰から無宗教へと心の体制が完全な転回を遂げることである。したがって宗派の改宗も回心を前提とした行為である。回心は一般に、既往の宗教価値への懐疑―新旧両価値の葛藤(かっとう)―新価値による危機克服という過程をとる。発現には漸(ぜん)と急とがあり、一般に苦痛や罪悪感によるものは急激に他力の救済を求めて受動的に発動し、能動的意志の努力による漸進型(たとえば修行による段階的証悟)と対比される。スターバックは回心を青年期の心理生理的特徴としているが、回心はその国の社会や文化とくに神学の影響などによって大きく左右され、かつ個人の生活史によっても異なる主体性の強いものであることに留意するべきである。[松本晧一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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